フィンランドの物価はどれくらい?旅行中にかかる、食費や交通費の目安
フィンランドの物価は高いと言われますが、北欧諸国では比較的物価の安い国で、外食は高くつきますが、案外安いものもあります。
このページでは、フィンランドの生活費ではなく、フィンランド旅行で実際にかかった食費や、交通費などの費用をご紹介します。
大ざっぱに言って、フィンランドの物価はどんな感じ?
▲お洒落なレストランの食事
確かに外食は、日本より高いけれど..
フィンランドの物価を日本と比べると、確かに外食は高いです。ランチなら1,000円前後と大して変わりはありませんが、安い牛丼チェーンやハンバーガーショップ、カレースタンドのように、格安で食事をできるところはありません。
夕食でちょっとしたレストランに行くと、2,000~3,000円というわけにはいかず、一人4,000~5,000円くらいはかかるでしょう。
また、日本の居酒屋では生ビールが280円くらいから飲めますが、フィンランドのバーでは700~800円くらいはします。
▲レストランのビール。ルミ(雪)
ただ、日本との違いは、ものすごく安いものがない代わりに、やたらに高いものも少ないということです。
例えばフィンランドで人気のレストランに行くと、それなりの費用はかかるものの、日本で高級レストランに行くよりずっとリーズナブルだったりします。ホテルにあるレストランやカフェは特に顕著で、日本ではやたらに高いですが、フィンランドではそうでもありません。
また、一皿の量が多く、あまり形式にこだわらないため、前菜なしでメインだけを頼んだりシェアしたりと、日本の高級レストランではちょっとしにくい調整ができるのと、代金には税金・サービス料を全て含んでいるため、会計の時に「思ったよりかかった」ということがありません(チップもいりません)。
単に「物価が高い」のではなく、「高いものが違う」という目で見ると、発見があって面白いと思います。
実際のフィンランド旅行でかかった費用
それでは、実際のフィンランド旅行でかかった費用をご紹介してみます。
(価格は、2018年7月のものを、1ユーロ130円として日本円に換算しています)。
交通費
トラム、地下鉄、バスなど
▲ヘルシンキの街を走るトラム(路面電車)
ヴァンター空港からヘルシンキ市内までは30分ほどの距離で、バスだと6.8ユーロ(884円)、リングレールと呼ばれる列車だと5ユーロ(650円)です。タクシーはもっと高いので、通常は利用しません。
ヘルシンキの街で使う交通費といえば、24時間単位で有効なデイチケットというチケットがおすすめで、トラムの他、地下鉄やバス、スオメンリンナ島へのフェリーにも使えます。
トラムのシングルチケットは2.5ユーロ(約325円)で、日本の列車やバスと比べると高いですが、デイチケットは24時間有効で9ユーロ(1,170円)、48時間有効だと13.5ユーロ(1,755円)で、多く使うほど割安になります。
フィンランドの特急列車(VR)
▲VRと呼ばれるフィンランドの列車
視察では、VRと呼ばれる列車も使用しました。フィンランドの列車の運賃はちょっとした変動制で、早めに購入すると安くなります。
例えば、ヘルシンキ~タンペレ~トゥルク~ヘルシンキの区間に乗車した際、どれも2時間ほどの距離なのですが、駅でチケットを購入したヘルシンキ~タンペレの区間は14.4ユーロ(1,872円)、前もってWEBサイトで購入した、タンペレ~トゥルクは8.9ユーロ(1,157円)、トゥルク~ヘルシンキが9.7ユーロ(1,261円)でした。
前もって購入し、払戻しの効かないSAVER TICKETなら、正規の運賃より安く利用することができます。
ちなみに、払戻しを出来るようにしておく保険があるのですが、安い運賃で取った場合、払い戻される金額より保険料の方が高く、本末転倒などということもあります。変更は5ユーロでできます。
シティバイク(レンタサイクル)
▲ヘルシンキのシティバイク
ヘルシンキの街には、シティバイクと呼ばれるレンタサイクルがあり、24時間で5ユーロ(650円)と安く使えます。
30分以内に一度返す必要がありますが、ステーションは街のあちこちにありますし、むしろ駐輪場の心配がないので助かります。
シティバイクは夏の間だけ利用できて、ヘルシンキの他、2018年にはトゥルクの街にも導入されました。
食費(レストラン)
外食は確かに高いですが、日本と同じでランチの方が安く(ヘルシンキで10ユーロ前後)、ディナーの方が高くなります。
また、土日はブランチ(朝食と夕食を兼ねた食事)ビュッフェを行っている店があります。
ランチ
▲スープ専門店(ソッパケイッティオ)のシーフードスープ
オールドマーケットの中にあるスープ専門店、ソッパケイッティオのものです。
スープは9ユーロ(1,170円)くらいからあり、食べ放題のパンと飲み放題の水がテーブルに置いてあります。
▲マリメッコの社員食堂ビュッフェ
ヘルシンキ郊外にあるマリメッコ本店の社員食堂は、一般の人も利用できるビュッフェ形式のレストランになっていて、ヘルシーでおいしいのでおすすめです。価格は11ユーロ(1,430円)でした。
ディナー
▲レストランのミートボール
ヘルシンキのレストラン、シーホースで食べたもので、17.9ユーロ(2,327円)と割と高いです。
▲トナカイ肉のソテー
ロヴァニエミのレストラン・ニリで食べた、トナカイ肉のソテーです。
ボリュームたっぷりですが、25.8ユーロ(3,354円)と、結構な値段がします。
ブランチ
▲エクベルグのブランチ
1852年創業の老舗カフェ、エクベルグのブランチです。19.9ユーロ(2,587円)しますが、どのパンもおいしく、コールドミールの他に温かい料理や、デザートなどもついています。
地元の人にも大人気で、席の予約がかなり入っている店です。
外食の価格が高いせいか、週末は朝食と昼食を兼ねたブランチビュッフェを訪れて、たっぷり食べるのが流行っているそうです。
食費(ファーストフードなど)
▲キオスキのホットドッグ
ナーンタリのキオスキで食べたホットドッグです。ソーセージにベーコンが巻いてあるタイプでした。
価格は2.5ユーロ(325円)。そう大きくはありませんが、結構おいしかったので、小腹の空いた時に適しています。
▲ドネル・ハリユのケバブ
ヘルシンキで最近人気の店、ドネル・ハリユで食べたベジ・ケバブ9.5ユーロ(1,235円)です。
もっとも、この店のケバブはおいしくてボリューム満点、野菜たっぷりでヘルシーなので、これくらいの価値は十分あると思います。
ただ、横のビールは7ユーロ(910円)でこの量なので、ちょっと高いですね。
▲オールドマーケットのピロシキ
ヘルシンキのオールドマーケットで食べてみたピロシキです。大きさも相当ありますが、4.8ユーロ(624円)と、なかなかのお値段がします。もっともこのピロシキは、エロマンガという近くのパン屋から仕入れているもので、その店に行けばもっと安く食べられます。
ビールなどのお酒
バーのビールは高いが、味と雰囲気を味わえる
▲タンペレのテーレンペリで飲んだ黒ビール
バーで飲むビールは、多少バラつきがあるものの、大体6~8ユーロくらいはします。
これはタンペレのテーレンペリ(バーの名前)で飲んだものですが、7ユーロ(910円)しました。
ただ、この時は空いていたこともあって、カウンターで注文に迷っていたら、いくつかビールを味見させてくれて、気に入ったものを選ばせてくれたので嬉しかったです。
スーパーで買うと、安くてたくさん飲める!
▲タンペレのスーパーで買ったビール
アルコール度数が4.6%までのビールなら、スーパーで買うこともでき、価格はかなり安くなります。
これはタンペレのスーパーで買ったもので、サーリセルカやヘルシンキのスーパーよりも安かったです。やはり観光地や首都より、ちょっと地方にずれた方が安いようですね。
いずれも330mlで税込価格は、KOFFが1.11ユーロ(144円)、KARHUが1.22ユーロ(178円)、LAPINKULTAが1.95ユーロ(254円)でした。
実はもっと安いものも売っていますが、アルコール度数2.8%といった、ごく弱いビールですのでご注意ください。
スイーツなど
▲トゥルクのカフェで食べたケーキとコーヒー
トゥルクの「Cafe Art」で飲んだコーヒーは、2.5(325円)で、日本と変わりませんでした。カシスケーキはちょっと高くて、4.8ユーロ(624円)しました。パンならもう少し安いようですが、ケーキはそこそこの値段がします。
スーパーで買った食事
スーパーで買うものは、お惣菜でもレトルトでも、おいしくて安いものがいろいろあります。
レトルトの食事
▲レトルト食品のミートボール
タンペレのスーパーで買って、ホテルで食べたものですが、このレトルトのミートボールは優れものです。
たっぷりのマッシュポテトと人参、ブラウンソースのかかったミートボールで2.74ユーロ(356円)、味もレストランと比べて遜色ないものでした。
レトルト食品は、他にも各種スープやリゾットなどがあり、いずれもレストランよりもはるかに安い価格で楽しめます。電子レンジが必要ですが、お酒と合わせて、できればフィンランドで一度は試してみていただきたい食事です。
品数豊富なサラダバー
▲どこのスーパーにも、大抵サラダバーがある
スーパーには、大抵の場合サラダバーがあり、店の大きさによって品数の豊富さが異なります。
1kgあたり15ユーロ弱というのが相場ですが、なかなか1kgも買うことはないので、かなりたっぷり取っても400~500gでしょう。
ピクルスやオリーブ、鶏肉や茹で玉子、ちょっと中東系の味のするお惣菜までいろいろとあるので、かなり豪華なサラダバーといえます。
なぜかお安い、グリルチキン
▲スーパーで売られるチキンレッグ
写真左は骨付きもも肉、右は丸どりのローストですが、なぜかグリルチキンは安く、生の鶏肉よりも安く買えます。
チキンレッグは一つ1ユーロしないくらいで、レンジがなくても食べられるので、スーパーで食べ物を買って食事にする時は、ぜひ買ってみてください。
施設入場料など
▲ムーミン美術館の受付
タンペレにあるムーミン美術館の入場料は、大人1名12ユーロ(1,560円)です。
中は広くて見ごたえがあるので、ムーミンに興味のある方なら十分楽しめます。
▲公共サウナ「ロウリュ」の案内板
公共サウナにしても決して安価ではなく、ヘルシンキに新しくできた「ロウリュ」というサウナは、2時間で19ユーロ(2,470円)します。
▲ムーミンワールド内のムーミンハウス
ナーンタリにあり、夏の間だけオープンするムーミンワールドです。
入場料は結構高く、大人は30ユーロ(3,900円)ですが、たくさんの子供連れでにぎわっていました。
いかがでしょうか。
フィンランドの物価と、旅行中にかかる費用を、概ねつかんでいただけたでしょうか?
次に気になるのは、旅行中に費用を節約する方法ではないかと思いますので、こちらもどうぞ!