【ブータン旅行記25】「子宝の寺」として有名な、チミ・ラカンに参拝
クズザンポー。いい旅ブータンの黒崎です。
プナカからティンプーに戻る前に、軽いハイキングをしてちょっと変わったお寺を参拝してきました。
昔の日本のような、のどかな田園風景の中を、これまたのんびり歩いて行くのですが、途中にはちょっと刺激的なモノがあったりします。
とはいえ、ブータンの人たちにとってはいたって真面目な信仰の対象ですので、騒いだりちゃかしたりするものではありません。
それでは「子宝の寺」と称される、チミ・ラカンに行ってみたいと思います。
民家の壁に描かれた、巨大な「ポー」
チミ・ラカンは、ロベサというエリアにある小さな集落の先にあります。
この集落を抜けて水田の脇を歩くと、20~30分ほどで到着します。
▲ロベサの集落
民家の壁を見ると、のんびりした風景にそぐわない、ちょっと刺激的なモノが目につきます。
巨大な男性器の絵で、ブータンでは「ポー」と呼ばれます。
何も知らずに訪れると驚くかもしれませんが、魔除けの効果もあると信じられて、家の壁に描かれています。
擬人化され、半ばキャラクター化されているのに、部分的に妙に写実的なのが気になりますが、とにかくこのあたりでは古くからこうした風習があるのです。
▲部分的に妙に写実的なのが気になる「ポー」
▲ポーはあちこちの壁に描かれている
寺に向かう途中には土産物屋もあり、ここでもポーを販売しています。
恐らくは木でつくられたもので、こうしたポーはパロの土産物屋にもたくさん置かれていましたが、学術的な理由でもないと、買って帰るのは少々はばかられるシロモノです。
▲土産物屋で売られるポー
のんびりした田園風景をハイキング
集落を抜けて、しばらくは細いあぜ道を通ります。
時々、水が流れているのをまたいで歩いたりもするため、できればスニーカーなどの方が楽に歩けると思います。
とはいえ、ガイドさんはいつもの革靴で歩いていますし、さほど構えなくても大丈夫です。
▲田んぼのあぜ道を通って行く
しばらくあぜ道を歩くと、歩きやすい道に出ます。
もう楽に歩けて、水に落ちる心配もないため、周囲を見渡してみましょう。
▲楽に歩ける道に出た
まわりの風景は、どこか日本の田舎といっても通用するほどで、ブータンと日本が共に山の国であると感じます。
建物やダルシン(仏旗)などが立っていなければ、本当に日本のようです。
トンボが飛び、鳥のさえずりが響く、穏やかな中を歩いていきます。
▲まるで日本のような田園風景
水田の中を歩いていくとそのうち参道に入り、緩やかな坂道を登って行きます。
▲ずっと先に見えるのがチミ・ラカン
▲階段もつくられている
坂をほぼ登りきったところに、大きなマニ車とベンチのある場所があります。
ここまで歩いてくると結構暑くなったので、この場所にしばし腰かけて、ガイドさんの話を聞いていました。
そよそよと吹く、夏の風がいい感じです。
ブータン人は有名なお寺を参拝すると名前をもらうため、この寺を参拝して授かった子供は、皆同じ名前になるそうです。
▲ラカンの手前にある大きなマニ車
チミ・ラカンに到着!
さて、大きなマニ車から少しだけ上がると、ついにチミ・ラカンに到着しました。
小ぢんまりとした寺ですが、子供を授からない夫婦など、多くの人がご利益を求めて訪れる場所なのだそうです。
例によって周囲には小さなマニ車がたくさんあったので、一通り回してから中に入ります。
▲チミ・ラカン
民間から支持を受ける破戒僧、ドゥクパ・クンレ
この寺に祀られている僧は一風変わっており、仏教の禁忌を破って次々に女性と交わりを持つことで、仏教の布教を進めたといいます。
名をドゥクパ・クンレといい、ガイド氏の説明によれば、ただ闇雲に行ったわけではなく、前世で関係のあった人などが対象だったといいます。
また、自身のポーで悪魔を退治したといった伝説もあるようです。
この寺は「子宝の寺」としても有名で、仏間の中には僧がいて、参拝するとお経と弓矢を頭に当ててくれます(私もやってもらいました)。
また、不妊に悩む女性には(悩んでいなくても女性には)、ポ・チェン型の棒(男性器の形をしている)を当ててくれるそうです。
▲本尊の横にある立派な木
▲仏間の入口(この中は撮影禁止)
▲チミ・ラカンの案内板
▲ペットボトルでつくられたマニ車
帰り道は下り坂なので楽です。来た時よりも短い時間で到着しました。
また、プナカではマンゴーやジャックフルーツなど、南国の果物を見かけました。
ティンプーからそう遠くもないのに、大分植生が違うものだと思います。
▲マンゴー
▲ジャックフルーツ
さて、それでは再び車に乗って、ティンプーに戻ります。