②食材の詰め方のコツ
▲チキンのお腹に詰め物をして、ダッチオーブンに入れる
鶏のお腹の中に、皮をむいたニンニクを一杯に詰めて楊枝や竹串で止めます。臭いを気にする方も、ニンニクそのものを食べなければ大丈夫でしょう。
レシピによってはタマネギとパンを炒めてレーズンと一緒に入れる、ご飯や冷凍ピラフを詰めるといったものもありますが、味がよくなる代わりに食べにくくなるし手間がかかり、野外で行うのは面倒です。
そこまでせずとも小さいタマネギの皮をむいてお腹に入れてしまえば十分です。大きければいくつかに切ってもOK。お尻は楊枝や竹串で閉じておきましょう。
腹の中でタマネギが加熱されエキスを出すことで、鶏はジューシーに仕上がり、味もよくなります。
野菜が下、鶏が上が基本
▲野菜を上にすると、鶏にきれいな焼き目がつかない
この写真のように野菜を上にしてしまうと、鶏に火は入ってもきれいな焼き色がつかず、皮目がパリッとした仕上がりになりません。
野菜は下、鶏が上が基本です。
食材の詰め込み過ぎにはご注意!
▲詰め込み過ぎの例。フタに熱源を置いた時に肉が固くなってしまう
材料を詰め込み過ぎて、鶏がダッチオーブンのフタに近くなり過ぎないように注意しましょう。
食材をたっぷり詰め込んでもダッチオーブンならちゃんと火が入りますが、肉が熱源に近すぎると固くなっておいしくなりません。
そのため、ジャガイモが大きい場合は半分に切ります。食材の詰め込みすぎにはご注意を。
③焼き方のコツ
▲ダッチオーブンを焚き火に入れたところ。そのうち火が落ち着く
ローストチキンを焼く場合、焼き時間は1時間以上を見ておきましょう。
最初はダッチオーブンも材料も冷たいので、わりと強い火の中に入れても大丈夫です。特に薪の場合は、そのうち火も落ち着いてきます。
下火で加熱してシューッという音がしだしたら、蓋の上にも炭火や熾火(おきび)を置いて加熱します。
鍋が熱くなったら、弱火でじっくり焼いていく
あまりひんぱんにフタを開けるのは考えものです。
水分が少なくなるとパサつきの原因となり、感動的なジューシーさが損なわれてしまいます。
焼き目をつけることは後からでもできますので、ダッチオーブンの蓄熱性を信じて、弱火でじっくり加熱していきましょう。
▲フタに熾火をのせたところ
他のレシピとして、フレンチドレッシングを1本丸ごと最初から入れておくやり方もありますので、火加減に自信のない方はその方がやりやすいかもしれません。
ドレッシングは鶏を蒸し上げながらいい味をつけ、焼きあがる頃には蒸発してなくなります。
【ご注意!】あまりに上火が強いと焦げる
▲最後に上の火を強くし過ぎた例
フタの上でガンガン火を燃やすのはよくありません。
写真のように無残な黒焦げになってしまいます。
ただ、この写真はちょっと目を離したスキに友人にやられたもので、短時間の強火でついた焦げ目だったので鶏自体のおいしさは損なわれずに済みました。
焦げたところだけ除いておいしく食べることができるので、多少焦げてもあまり気にすることはありません。
仕上げはちょっとフタをずらして、パリっとさせる!
▲チキンにおいしそうな焼き目がついた!
1時間も焼けば火は入っていると思いますので、リフターでフタを持ち上げて様子を見て、上火を少し強くして焼き色をつけましょう。
その際は、フタの中央に熱源を集めると鶏のてっぺんが焦げやすくなるので、鍋の縁に沿って置くようにします。
遠赤外線の力を侮ってはいけません。
分厚い鉄のフタを通じて、炭火は鶏の表面にきれいな焼き色をつけてくれます。
また、焼き上がりに少しフタをずらしておくと、表面がパリッとします。
焼き色がついたらいつまでも加熱せず、ダッチオーブンを火から外して脇に置いておきます。数十分は熱いままですので、余熱でさらに中まで火が入ってジューシーな仕上がりになります。
パリッとした仕上がりがよければフタはずらしたままにし、しっとり柔らかく仕上げたければフタをしたままで少し置いておくといいでしょう。