クローブというスパイス、使ったことがないという方もいらっしゃると思います。
インド出張でスパイスセットをいただいた際、必ずクローブがあったのでカレー作りにちょっと使ってみたりしましたが、かなりしばらくの間使っていないスパイスです・・・
肉料理と相性がいいのは知っていましたが、ちょっとクセのある強い香りなので、アレンジができるのかな?と思っていたら、意外にも和菓子やジャムと相性がいいことが分かりました!
これまでに紹介してきたスパイスと併せて使うこともできるので、簡単レシピやちょい足しアレンジなどを紹介します。
【クローブの特徴】甘さと刺激のある香りはちょっとクセあり
クローブは、樹木のつぼみを開花する前に摘んで乾燥させたもの。
インドネシアのモルッカ諸島原産のスパイスです。
花のつぼみが「釘」のような形をしていることから、フランス語の釘「clou」と同じ言葉を語源とする英語の「clove」と呼ばれるようになったそうです。
中国語では、錆びた「釘」の形に似ていることから、訳した丁を使って「丁字」 や「丁香」 などと呼ばれており、日本では英語のクローブ、中国の丁字の両方で呼ばれています。
日本の正倉院にも、「丁香」の名前が残っている書物があります。
仏教とも深く関わりがあるとされており、お香や邪気払いとして使われていたと推測されています。
クローブは、甘さの中にピリッと刺激のある、濃厚で独特な香りが特徴です。
個人的には、ちょっと酸味のようなものも感じるので、八角にも少し似てるかなと思います。
スパイスのほとんどが辛くないのですが、その中でもクローブは辛い方のスパイス。
パウダーをそのままなめてみるとピリッとしますが、辛さはさほど後に残りません。
また、クローブの種子は発芽してから苗になるまで2年、花が咲く状態になるまで約7~8年もかかるんだそうです!
更に、木が完全に成長するまでには約20年ほどかかり、その後40~50年くらい実をつけ続ける木なので、モルッカ諸島では、子供が産まれた時にクローブを植え、木と共に子供の成長を見守るという習慣があるのだそうですよ。
そんなクローブに含まれる成分には、さまざまな効能や以外な効果があることが分かりました。
【クローブの効能】抗酸化作用や抗菌効果、消臭や虫よけにも効果あり!
クローブには、抗酸化作用、抗菌効果、消化促進、血糖値を下げる、コレステロール値を下げる口臭予防、関節痛の緩和、のどの痛み、消臭効果、体を温める、リラックス効果、虫よけ効果など、さまざまな効能があります。
紀元前から利用されてきた歴史があり、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」にも使われていたり、中国の古い書物にも、クローブには口臭を抑える効果があると書かれていたりします。
中世のヨーロッパでは、オレンジにクローブを突き刺した「オレンジポマンダー」というものが、魔除けやお守りとして流行っていました。
現在は、消臭と虫よけのためにクローゼットに入れて使ったりすることもあるんだそうですよ。
日本でも、平安時代に防虫用としてクローブを入れた香袋を使っていたり、胃薬として用いたりしていた記録があり、以外と古くから日本にも入っていたのですね。
また、クローブの香りに含まれるオイゲノールという成分は、梅雨のジメジメした時期から現れるG(ゴキブリ)が嫌うらしいのです。
以前、「ハッカ油」のブログでもG対策に使っていることを紹介しましたが、今年からクローブとダブル使いで対策してみようと思います!
※香りが強くクセがあるので、使いすぎることはないと思いますが、過剰摂取すると下痢や吐き気、肝機能障害などが出る場合があると言われています。
1日大さじ2杯以上の摂取は控えましょう。
【クローブの簡単な使い方】ヘルシーなゼリーや和菓子にも使えます!
クローブは、肉料理と相性がいいことは知っていましたが、スパイスのプロ『S&B』のHPでは焼き菓子やフルーツ、カボチャとの相性もいいことが分かりました。
クローブ単体ではなかなか使い方が難しいのですが、これまでに紹介してきたスパイスとのダブル使いならバリエーションが広がりそう!
特にシナモンと組み合わせると使いやすいので、そんなメニューもあわせて紹介します。
【甘くて深い大人の香り!涼しげなジャスミンティーゼリー】
ジメジメした梅雨や暑いシーズンにはぴったり!
簡単レシピですが、おうち時間をプチ贅沢にしてくれます。
【材料】(4人分)
・ジャスミンティー 600ml
・クローブ(パウダー) 6振り程度
・砂糖 大さじ3
・粉ゼラチン 10g
・水 大さじ6
【作り方】
①大きめの耐熱容器に粉ゼラチンと水を入れて10分ほどふやかしたら、電子レンジで30秒ほど加熱して溶かします。
②に砂糖、クローブを加えて混ぜ、ジャスミンティーを少しずつ加えながら全体を混ぜ合わせます。
③ ②を冷蔵庫で冷やし固め、器に盛り付けたらできあがり!
見た目にも涼しげでヘルシーなゼリーが簡単にできちゃいます!
フルフルに仕上がるように、液体の量が少し多めで柔らかくなっているので、食べる直前に冷蔵庫から出して盛り付けてくださいね。
和菓子にも使える!【カボチャのスパイス茶きん】
クローブと相性のいいシナモンを使った簡単レシピの和菓子です。
電子レンジを使って作れるので、お子様とも一緒に楽しめますよ♪
【材料】(2人分)
・カボチャ 1/4個
・バター 20g
・砂糖 50g
・クローブ(パウダー) 小さじ1/3
・バニラビーンズ 5cm ※なければバニラエッセンスでもOK(2~3滴)
シナモン(パウダー) 小さじ1/4
・レーズン 大さじ1
・ラム酒 小さじ1 ※お子様向けのときは、ラム酒は入れずに作りましょう
【作り方】
①カボチャは種とワタを取り除き、皮はところどころ残すように荒くむき、水に濡らしてラップに包んだら、600Wの電子レンジで約5分加熱します。
②加熱したらボウルに移し、暑いうちにバターと砂糖を入れて混ぜながらカボチャをつぶします。
③レーズンを小さい器に入れて、ひたひたになる程度の水につけてラップをし、600Wの電子レンジで1分30秒加熱し、粗みじんに切ります。
④ ②に、バニラビーンズ、クローブ、シナモン、ラム酒、粗みじんにしたレーズンを加えて混ぜ合わせ、4等分にします。
⑤ラップを15cm角くらいに切り、④をのせてラップをねじって丸く形を整えてラップから外したらできあがり!
※絞った跡を残すようにすると茶きんらしくなります。
カボチャを切ったり、電子レンジから加熱したものを取り出すときは、大人がちゃんと見てあげる必要がありますが、混ぜたり形を作ったりするのは、小さなお子様にもできそうですね。
少ない材料で簡単に作れる和菓子、ぜひレパートリーに入れたい一品です!
【体が温まる!スパイスの効いたマシュマロココア】
市販のお湯で溶かすだけのココアパウダーがあれば、簡単に作れます。
寒い日はもちろん、暑い夏の冷房疲れした体も温めてくれますよ。
【材料】(2人分)
・ココアパウダー(無糖) 小さじ4
・グラニュー糖 小さじ2
・牛乳 350ml
・マシュマロ 2個
・クローブ(パウダー) 少々
・シナモン(パウダー) 少々
【作り方】
①鍋にココアパウダー、グラニュー糖を入れ、牛乳を少量加えたらダマにならないように溶きます。
②火にかけ、かき混ぜながら残りの牛乳を少しずつ入れて伸ばしていきます。
③沸騰直前に火からおろし、カップに注いだら、マシュマロを浮かべてクローブとシナモンを振ってできあがり!
砂糖が入っている市販のココアパウダーを使う場合は、①②の工程がなくなるので簡単です!
ココアの濃度もお好みに合わせて調整でき、お子様と一緒につくることもできますね。
【クローブのちょい足しアレンジ】甘い飲み物やジャムと相性がいいんです!
クローブは肉料理と相性がいいですが、ちょい足しならソースや甘いジャムとも合うんですよ!
●カボチャ料理に(カボチャのサラダや付けあわせのソテーに一振り)
●コーヒーや紅茶・ココアにも!(体を温めてくれます)
●ソース焼きそば(濃いソースに合う!)
●柑橘系のジャムに!(マーマレードを塗ったトーストに一振り)
ソースにはいろいろなスパイスが含まれているので、確かにソース焼きそばと合いそうです。
さっそく、某カップ焼きそばを買ってきて、クローブを少しずつ振りかけて食べてみました。
予想通り、クローブの香りとちょっとピリ辛な風味がソースと合う!
食べなれたカップ焼きそばが、風味良くグレードアップした感じで、これからは、ソース焼きそばにクローブのちょい足しがクセになりそうです。
また、日向夏のマーマレードが手に入ったので、少しずつクローブを振りかけて食べてみたところ、意外にもよく合う!
爽やかでさっぱりしている日向夏のマーマレードは、クローブの強めな香りと組み合わせても違和感がありません。
むしろ、クローブを振りかけたことで香りに深みが出て、こちらの方がおいしいと感じました。
普段はあまり甘いパンを食べないのですが、これなら積極的に食べたいなと思います。
【他にもある!クローブで作れるもの】
・肉料理(ビーフシチュー、ハンバーグ、ポークソテー、スペアリブ、角煮、から揚げなど)
・お菓子(フルーツケーキ、クッキー、焼きリンゴなどの焼き菓子、粒あんに混ぜても!)
・カボチャ(パンプキンパイ、ソテーなど)
・ホットワインに(他のスパイスと一緒に)
・ナポリタンやオムライス(少量ならケチャップとの相性も悪くない!)
ウスターソースなどには、たくさんのスパイスが使われていることは知っていましたが、ケチャップにもクローブを含めた香辛料が使われているのだそうです。
ということで、わが家でよく登場するオムライスにクローブを入れて作ってみました。
ほのかにクローブの香りがして、少し苦味のある風味が大人のオムライスという感じです。
トロトロ卵でマイルドになるので、入れすぎなければケチャップとの相性も悪くないですね。
ソースに比べて、ケチャップとの組み合わせの方がクローブの香りが強く残りやすい感じがするので、ケチャップライスを作る時に、少量を振りかけて味見しながら調整するといいですよ。
クローブ単体だと香りが強いですが、肉料理やお菓子作りなどに合わせると調和がとれるのですね。
量を調整できて使いやすいので、最初はパウダー状のものがオススメです!
ちょっと苦手だったクローブは意外と使いやすいスパイスでした!
クローブはクセのある強い香りなので、ちょっと使いづらいな・・・と思って手を出せませんでしたが、意外といろいろなものに合わせられるということが分かりました。
特に、マーマレードとこんなに合うなんて意外な発見でした!
これまで紹介してきたスパイスと組み合わせたり、おうちで作ることの多いソース焼きそばやオムライス、ナポリタンなど、気軽に使っていこうと思います。
まずは、使いやすいパウダー状のものから、みなさんも気軽に試してみてくださいね。
【注意】
※小さなお子様や胃腸の弱い方にはスパイスの刺激が強いので、ご注意ください。
※妊婦さんや授乳中の方は、安全性が確立されていないので医者に相談しましょう。
※持病のある方は、合わないスパイスもあるので医者に相談しましょう。
フシミ
インド亜大陸・中東エリアの魅力に取りつかれ、仕事・プライベートで何度も訪れています。食べることや飲むことが好きで、インドでもお腹をこわしたことがないのが自慢!