ブータンの世界遺産事情。登録第一号は?
世界遺産がない理由
2017年現在、ブータンには世界遺産が一つもありません。
理由は、世界遺産の登録に必要な法律が整備されていないことや、有力な世界遺産候補となる「ゾン」が、政治と宗教の場であるといったことがあります。
もし世界遺産に登録されれば、神聖な場所であるゾンに多くの観光客が押し寄せることになり、多くのブータン人は、それを望みません。
また、ゾンは政治を執り行う場所でもあり、日本でいえば国会議事堂のようなものです。
訪問には独特の作法も求められるし、安全面からも望ましくありません。
そんな理由から、ブータンには世界遺産がないのです。
暫定リスト
でも、実は候補となるリストは提出されているのでご紹介してみます。
文化遺産
ドゥゲ・ゾン
パロの郊外にある遺跡で、かつてチベット軍がブータンに攻め入ったのを退けた際に、その記念としてつくられた要塞でした。
火事で焼けてしまい、現在は廃墟となっていますが、再び整備すべく準備中です。
ゾン:政治・宗教の中心
プナカ・ゾン、ワンデュ・ポダン・ゾン、パロ・ゾン、トンサ・ゾン、ダガナ・ゾンという、ブータンの歴史にとって重要な5つのゾンをまとめて、候補としています。
パジョ・ドゥゴム・シクポ他の聖地
タクツァン僧院を含む、ブータンの仏教布教に重要な役割を果たした聖地群です。
▲タクツァン僧院
タムシン僧院
タムシン僧院はパロの郊外にあり、壁画や貴重な収蔵品で有名な場所です。
自然遺産
ブンデリン生物保護区
ジグメ・ドルジ国立公園
ロイヤル・マナス国立公園
複合遺産
サクテン生物保護区
第一号に登録されるのは?
上のリストは、正式名称で書かれていることもあって少々分かりにくいですね。
実際のところ、ブータンの世界遺産第一号に登録されるのはどれでしょう?
やはり最有力候補は、何といってもタクツァン僧院ではないかと思います。
ブータンを知る人なら誰もが思い浮かべる名所で、数多くあるゾンとは違って、独特の存在感を持つ場所であるためです。
いずれどこが登録されるか、楽しみにしていますが、実はブータンに行くなら世界遺産に登録されないうちに行くのがおすすめです。
騒がしくなってしまう前に、ブータン旅行に足を運んでみてはいかがしょう。