タクツァン僧院はこんな場所
タクツァン僧院は、標高約3000mの山肌にはりつくように建てられ、今も僧侶が修行している生きた僧院です。その昔ブータンに仏教を伝えた高僧、バドマ・サンババが建立されたとされ、彼がトラの背に乗ってここまで飛んで来たという伝説から、別名「タイガーズネスト」とも言われます。
まさに山岳国家ブータンを代表する絶景で、ブータンを訪れる多くの人が目指す場所ですが、観光にはちょっとした注意点もありますので、現地で撮ってきた写真と一緒にご紹介します。
タクツァン僧院への登り道
まずは、松林の中のなだらかな道を上がっていきます。しばらく歩いていくと、木々のすき間から遠くにタクツァン僧院の姿が見え隠れしますが、まだまだずっと先です。焦らずゆっくり進みましょう。
15分ほど歩くと少し急な坂道があり、ここからが本番と言える道に入ります。
歩き出して約1時間~1時間半すると大きなマニ車が見え、ここを過ぎた右側が第一展望台となります(標高約2800m)。
第一展望台
第一展望台についたらティータイムにしましょう。
昼食は帰りにここのレストランで取りますし、眺めもよい場所なので、お疲れの程度によっては、ここで待つ方もいらっしゃいます。元気を回復できた方はさらに先に進みます。
ここでは、ブータン人の売り子がちょっとしたお土産物を売っています。
タクツァン僧院を見ることができます。まだ距離があるため小さく見えますが、それだけに断崖絶壁にあることがよく分かります。
▲第一展望台から見たタクツァン僧院(まだまだ遠い)
▲登山用の馬を引いて歩く若い僧
馬で登る人もいるため、馬とすれ違うことがあります。馬はおとなしいのですが、万一ぶつかっても落ちることのないように、必ず山側によけてください。第一展望台から先もちょっと急な坂道もあります。木々に覆われて、あまり景色が見えない場所もありますが、頑張って登りましょう。
第二展望台
第一展望台から歩いて一時間ほど。ようやく第二展望台(約3100m)に到着です。この時は、地元の皆さんがピクニックランチの最中でした。
▲ブータン人の家族
▲僧院の手前には滝と橋がある
第二展望台では目の前にタクツァン僧院が見えますが、その先は、目の前のタクツァン僧院を横目に、いったん階段を下ります。下った先に滝があり、そこにある橋を渡ったらまた登ります。あと少し!
タクツァン僧院に到着!内部の見学へ
階段を登りきると、いよいよタクツァン僧院(約3000m)に到着です。僧院の中は写真撮影が禁止されているため、残念ながら内部の写真はありません。入口で手荷物を預けて入りますが、貴重品はお手元にお持ちください。
実はタクツァン僧院は1998年の火災で全焼してしまい、ブータン国民に大きな悲しみをもたらしましたが、その後、国をあげての大工事で再建されました。
難所に築かれた寺院なので、資材や仏像を運ぶのが大変です。国内の名工たちの他、多くの力自慢の男たちが駆けつけ、6年かけて再建しました。
国中の願いをかけて再建された寺院は、「グル八変化の堂」「ドルジ・ドロの堂」「大黒天の堂」「菩薩堂」「土着神の堂」などを持ち、いずれも贅沢に顔料と金粉をつかった、極彩色の廟となっています。谷底から吹き上がる風が真夏でも冷たく、寺院の2階のテラスからは、展望台やパロの谷が眺望できます。
▲間近で見るタクツァン僧院
タクツァン僧院観光のポイントと注意点
所要時間と道のり
タクツァン僧院の観光にかかる時間は大体往復5~6時間(ティータイム、昼食込)ほどです。高所を歩くため、歩き始めは息が上がりますが、旅の最後に見学を取り入れておけば、お体はだいぶ高度に順応していることでしょう。下りは楽ですが、急な坂道が所々ありますので、休憩を入れてゆっくり歩くのがおすすめです。登る時よりも下る時の方が、足に疲労が溜まっているので注意しましょう。
観光には丸一日時間を取るのが普通ですが、足に自信のない方もあきらめないでください。時間をかけてゆっくり歩けばかなりの確率でタクツァン僧院まで辿り着けますし、途中で疲れてしまったら、第一展望台で景色を見ながら待つ方法もあります。
服装
動きやすくて暖かい服装が必須です。風が強く、山の天候は変わりやすいため、重ね着の上にウインドブレーカーを着るような服装がピッタリです(暑ければ一旦脱ぐこともできます)。未舗装の山道を登りますので、必ず履きなれた靴をご利用ください。少々足元が悪いので、登山用の杖もおすすめです。また、標高が高くて涼しいとはいえ、登っていくとかなり汗をかきますから、ハンカチより大きめのタオルを用意しておくのがよいでしょう。