見るだけでちょっと面白い、ブータンの通貨ニュルタム(Ngultrum)
ブータンの通貨はニュルタム(Ngultrum)といい、Nuと書き表されます。
日本ではあまりなじみのない通貨ですので、順を追ってご説明したいと思います。
紙幣とコイン
紙幣は1ニュルタムから、10、20、50、100、500、1000ニュルタムとあり、10ニュルタム以上には歴代の国王が描かれています。
本当はチェトラム(Chetrum)というコインもあって、100チェトラム=1ニュルタムらしいのですが、物価が高くなったこともあり、最近ではほとんど使われていないそうです。
▲下から20、100、500、1000ニュルタム。数字の他にゾンカ文字も使われている
読み間違えやすいゾンカ文字
ブータンの公用語はゾンカ語で、紙幣には普通の数字とゾンカの両方が書かれています。
1は7のように、5は4のように見え、しかも1はひっくり返すと6のようにも見えるので厄介です。
最も厄介なのが1000ニュルタム紙幣で、他の紙幣と数字の書かれた場所が違います。
そこで、ほんのちょっとしたコツですが、財布に入れる時には全てのお札を逆さまにしておきましょう。
そうしておけば、数字だけが見えるようになるので、間違えることがありません。
▲いずれも100ニュルタム。右は普通に、左の紙幣は逆さまに入れてある
両替の場所
日本では円からニュルタムへの両替ができないため、ブータンで行うことになります。
ブータンでは日本円から直接ニュルタムに両替ができますが、再両替する時には日本円のないこともあるようです。仕方がないのでその場合はUSドルなどで両替しましょう。
ホテルや銀行でも両替できますが、一般的には空港で行います。パロ空港に着いたら、入国審査の前に両替所があります。両替せずに入国すると戻れないので気をつけましょう。
帰国する時も同じで、出国審査の後には両替所がないため、空港に入ったらすぐに両替しておきましょう。
▲パロ空港到着時の両替所(入国審査よりも手前にあるのご注意を)
価値とレート
2017年9月現在、1ニュルタム=約1.73円ですので、大体表示額の2倍と思っておけばお釣りがきます。
(100Nu=約200円と思っておく)
また、ブータンはインドとの関係が深いため、ブータン国内ではインドルピーがニュルタムと全く同じ価値で使われています。
そのため買い物をすると、ニュルタムに混ざってルピーのお釣りが来たりしますが、使う時も混ぜて使えるので大丈夫です。
ただしインド国内ではニュルタムを使えないため、取っておいてインド旅行で使おうとしてもできません。その点はご注意ください。
ブータンで、ガンジーが印刷されたお札に出会うとは思っていませんでした。
▲お釣りに混ざってきたガンジー(100インドルピー)
その他
せっかくなので、手元にあった紙幣をもう少し見てみます。
▲20ニュルタム。第3第国王 ジグミ・ドルジ・ウォンチュク
▲50ニュルタム。第5代現国王ジグミ・ケサル・ナムギャル・ウォンチュク
ゾンカの5は、4と読み違えやすいですね。
▲500ニュルタム。初代ブータン国王 ウゲン・ウォンチュク
これも、左上だけ見たら400に見えます。
▲ちゃんと透かしも入っている。でも顔が違う
▲貫禄の1000ニュルタム
1000ニュルタムには透かしがなく、なぜか右下にスクラッチカードのようなものがありました。
旅行中に自分で代金を支払うことが少ないブータンですが、ニュルタムはよく見てみると結構面白いです。
うまく使いこなして、ブータンでもお買い物をお楽しみください。