▲ドチュラ付近の眺望
ブータン王国はこんな場所
ブータン王国は、地理的にはインドと中国に挟まれています。中国との国境はヒマラヤ山脈の上を通っているところが多く、国境線が確定していない部分もあっていまでも国境画定交渉が進められています。
日本の九州より狭い国土にも関わらず、海抜100m程度の土地から最高峰ガンカー・プンスム7,561mまで、非常に高低差の大きい山岳国です。
ブータン王国の人々は敬虔な仏教徒で、生活の隅々まで仏への祈りが息づいています。峠や尾根には、ダルシンと呼ばれる経文旗がヒマラヤから吹き降ろす風にはためき、渓谷へ流れ込む水の流れでマニ車がまわります。
そんな風景からは、ブータンの人々が常に祈りを意識して生活していることが感じられます。
▲ブータン タンカ開帳
ブータン王国の文化や楽しみ
多くの国々が洋服文化を受け入れている現代において、ブータンの人々は、悠々とした独自の文化を守って暮らしています。
例えば、ゴ(khos)やキラ(kiras)という民族衣装を身にまとった人々や、ゾン(Dzongs)と呼ばれるお城などが代表的です。
他の国では見られない建築様式の寺や家が多く、この現代社会においても雑踏や交通渋滞、高層建築などからは程遠い、とても穏やかな国です。
そして観光としては、トレッキングやハイキング、文化や宗教、ヒマラヤの山岳風景を楽しむことができます。
ブータンには、他の国とはひと味違った何かがあります。
首都のティンプーを除けば町らしい町もないため、空気や環境が汚染されておらず、人混みなどの雑踏もありません。
何もないようでいて、実際に行ってみなければわからないその素晴らしさを持つ国で、そんな雷龍の国・ブータンをお伝えしたいと思います。
ブータン王国の概要
■国名:ブータン王国(Kingdom of BHUTAN)
■首都:ティンプー
■時差:-3時間
■面積:約38000平方キロメートル
■人口:約75万人
■国語:ゾンカ(公用語)の他学校教育で使われている英語、ネパール語やヒンドゥー語も通用し、ブータン各地では数多くのブータン方言が話されています。
■通貨:Nu(ヌルタム)。インドルピーと等価で使用されており、国内ではインドルピーも利用可能です。
■国教:チベット仏教カギュ派の中のドゥク派
■国獣:ターキン
■国鳥:ワタリガラス
■国花:ブルーポピー(メコノプシス・グランディス)
■国の木:イトスギ
■国の蝶:ブータンシボリアゲハ
「ゾン」、「ラカン」、「ゴンパ」
これらは、ブータン王国を旅行する上で、キーワードとなる言葉です。
「ゾン」はかつて戦争のあった時代は城塞として機能しており、現在は僧院として、また行政を司る県庁的な役割りを果たしています。
「ラカン」、「ゴンパ」はいずれも寺院のことです。仏教史跡めぐりを目的とした場合、注目すべきラカンやゴンパがブータンには多数点在しています。
▲プナカ・ゾン
▲タクツァン僧院
“禁煙国家” の顔を持つブータン王国
ブータン王国は世界でも珍しい「禁煙国家」です。 公共の場での喫煙は禁じられている他、タバコ製品の持ち込みには数量規制がある上に高額の税金がかけられます。
実際にはホテルの部屋などで吸うことが可能で、税関での運用は係員のさじ加減次第ですが、喫煙者にはやや厳しい環境です。
これからのブータン王国
2008年の民主化以降、ブータン旅行の人気が徐々に高まりつつある中で、2011年11月にブータン王国、第5代国王が来日したため、本格的にブータン旅行ブームが起こりました。
その後ややブームは落ち着きましたが、ブータン王家と日本の皇室に親交があるため、2017年5月には秋篠宮ご夫妻の長女、眞子さまがブータンを訪問するなど、日本との交流は続いています。
当サイトでは、未だ未開の地も多く、近いようで遠い国であるブータン王国を、どんどんご紹介したいと考えています。
▲ブータンで出会った笑顔
(この記事は「いい旅セカンドライフツアー」から転載し、加筆しています)