ブータンの気候はどんな感じ?旅行に適した時期は?
ブータンの気候は、かなり寒い?
ブータンはヒマラヤ山脈のイメージが強いため、全体的にかなり寒い気候と思われるかもしれませんが、実際には夏に30°を越える地域も多くあります。
ブータンは、南部は標高200m前後、北部山岳地帯では7,000mと国内の標高差が大きいため、各地域の標高によって気候が大きく変化するのが特徴です。
▲ブータンの気候は標高によって変わる
気候の種類
ブータン国内の気候は、標高によって次の3つに分類できます。
① 標高200m程度、インドとの国境付近の亜熱帯性気候
② 標高1200mから3000m、ブータン中部の熱帯モンスーン気候
③ 標高3000m以上、北部ヒマラヤ山脈の極地気候
ただ、実際に観光で訪れるのは、主に②の標高1,200〜3,000m前後のモンスーン気候の地域ですのであまり心配はいりません。ではその地域の気候をご紹介してみます。
主な観光地の気候は、軽井沢に似ている
ブータンの緯度は北緯26度と、沖縄と同じですが、国土の大半が2000mを超える標高のため紫外線が強く、昼夜の寒暖差が激しいのが特徴です。
日差しは強いものの、気温や四季の変化は日本の軽井沢に近いようです。軽井沢といえば日本では避暑地です。ブータンの主な観光地も、全体に湿度が低く、真夏でも風が涼しいため過ごしやすいです。
▲パロの高台から見た風景(6月頃)。そよ風が吹き、湿気は少ない
はっきりした四季がある
ブータンの気候には、はっきりした四季があります。降水量では6月末~9月が雨季、10月~5月が乾季といえますが、その中に春夏秋冬が存在します。
春(3月〜5月)
寒さが和らいで気候の安定する季節です。最大のお祭りであるパロ・ツェチュ祭の開催と共に、ブータン全土に春が訪れます。
色鮮やかな花が咲く季節で、3月に入ると木々が芽吹いて杏の花が咲き始め、4月にはりんごの花が咲きます。
4月下旬〜5月上旬はシャクナゲを見るベストシーズンで、パロ近くのチェレ・ラやティンプーから先のドチュ・ラ付近は赤やピンクのシャクナゲで埋め尽くされます。
夏(6月〜8月)
緑美しい季節で、一般に雨季とされますが、大雨が降ることはまれです。
南部のインドとの国境地帯は非常に暑くなり、湿気も高くなりますが、西ブータンや中央ブータンはそれほど暑さを感じずに過ごすことができます。
7月頃は、高地でブルーポピーなどの高山植物が見頃を迎え、8〜9月は、ブムタン地方でソバのピンクの花が咲き乱れます。
ちなみに中央ブータンのモンガルなどで、蛍が飛び交うのが見られるのもこの季節です。
秋(9月〜11月)
晴天率が高く、とても美しい季節です。田んぼが黄金色に染まり、民家の屋根の上には真っ赤な唐辛子が干されて、国中が鮮やかな色彩に包まれる季節です。
この時期は、ブータン各地で秋のお祭りが催される季節でもあります。
峠からはヒマラヤの展望が楽しめ、トレッキングには絶好のシーズンで、主な作物である米やソバなどの収穫も行われます。
▲秋はトレッキングにも適した季節
冬(12月〜2月)
川の水や空気が澄んで、峠から見るヒマラヤの山や、空の星がとても綺麗な季節です。
「ヒマラヤの国」というイメージから、もの凄い寒さを想像しがちですが、標高3,000m以上の場所を除けば積雪はほとんどありません。パロ、ティンプーでは日中は10度近くまで気温が上がるので、日差しによっては暖かく感じることもあります。
ただし昼夜の寒暖差は大きく、夜間は氷点下まで冷え込むこともあるため、防寒具の準備は必要です。
▲冬は山がきれいに見える
旅行に適した季節は?
一般的にブータン旅行のベストシーズンは、春(3~5月)か秋(9~11月)と言われ、特に10~5月の乾期は、気候が安定して晴天の日が続くため観光に適していて、ヒマラヤの山々を見るトレッキングのシーズンともなります。
ただ、6~9月の雨季も、朝夕に雨が降る日は増えるものの日中は晴れが多く、ブルーポピーなどの高山植物や緑が映える棚田など、この時期ならではの楽しみがあります。
このように、ブータンには四季折々の魅力がありますので、目的に合わせて時期を選ぶといいでしょう。ブータンに行ってみようと思い立ったら、お気軽にご相談ください。