【スリランカ旅行記150】ルヌガンガで見かけた様々な「顔」
こんにちは。さらにルヌガンガを視察中の黒崎です。
今回は、よく晴れた日のルヌガンガが見せた、様々な「顔」をご紹介します。
ルヌガンガの敷地はかなり広く、田園や水辺の他に、開けた高原のような場所や、うっそうとした森があります。
宿泊できる建物はその中に点在しているので、恐らく日が暮れれば真っ暗です。
きっと夜になれば、虫やカエルの声だけが聞こえることでしょう。
森の中の少し開けた場所には牛がつながれていて、屈強な男性が一人、黙々と斧で薪を割り続けていました。
凶器を手にしており、あまり機嫌が良さそうではなかったため、残念ながら写真はありませんが、数十キロはありそうな丸太や薪を、軽々と肩に担いでいました。
▲牛
水辺から森の中を抜けて、坂道を登って行くと、開けた高原のような場所に出ました。
向こう側にも川が見えて、ルヌガンガが大きな川に面していることが分かります。
▲高原のような場所
時間をもデザインした建築家
このあたりには、ゴールにあるジェットウイング・ライトハウスの試験でつくられた建物があり、実際に宿泊できるとのことでした。
ジェフリー・バワは、こうした試験をいくつも行い、月日が経つと壁の色がどう変化するかなど、様々なデータを取りながら作品に活かしていったそうです。
空間だけでなく、時間までもデザインしたと言われる所以です。
▲ジェットウイング・ライトハウスの実験棟
敷地内にも水は多く、さらにあちこちに大きな壺が置かれていたりするので、蚊が多いというのもうなづけます。
中には、カオのついたものがあります。
どんなものかというと、こんなモノです。
▲カオつきの植木鉢
葉っぱを口にくわえたようにも見える、なかなかオシャレな植木鉢です。
ルヌガンガにあるものは全てバワの考えで置かれたものなので、これもバワの趣味でしょう。
植えられた草木が成長すれば、あたかも髪の毛が伸びたように見えます。
バワはここでも、時間をデザインしたのかもしれませんね。
そうかと思うと、また少し違ったものもあります。
これは何なのか分かりませんが、きっと天才建築家には何かの思惑があったのでしょう。
▲正体不明の像(何か思惑がある?)
途中には壁画もありました。
鮮やかな色彩で、槍や弓矢で突き刺される男の姿を描いたものです。
激しい戦いのようですが、なぜか男は後ろから何本もの矢で貫かれていました。
敵に取り囲まれてしまったのか、味方のだまし討ちにあったのか、敵前逃亡を図ったのは、詳細は不明です。
▲激しい戦いの図
また植木鉢がありました。
こちらは若干目つきの気になる、やや友達になりたくない感じの植木鉢でした。
日々眺めて暮らす場所に置くなら、もうちょっと感じのいい彫刻にすれば良いのにとも思いますが、きっと天才建築家には何かの思惑があったのでしょう。
▲やや目つきの悪い植木鉢
ちゃんと、温和な顔をした植木鉢もいます。
緑の葉が茂ると共に、髪の毛が伸びたように見えます。
▲温和な顔の植木鉢
さて、いよいよ御大自らが登場です。
これはジェフリー・バワの彫刻で、スリランカとヨーロッパの混血だったそうですが、確かにそれを思わせる顔つきです。
高台の外れ、川面を見下ろす場所に置かれていて、自分のつくり上げた理想郷を眺めているように見えます。
▲ジェフリー・バワの彫刻
他には、ヨーロッパの庭園を思わせるような彫刻も置かれていました。
▲ヨーロッパ的な彫刻
バワが自分の理想を形にしていった場所で、招き入れるのもお気に入りの人だけだったというくらいですから、とにかくやりたい放題の場所です。
でもそれだけに、バワが自らを施主として自由に作り上げたこの場所は、どこを歩いてもバワの息吹を感じられると高い評価を得ています。
ジェフリー・バワの建築に興味をお持ちの方なら、ぜひ訪れてみるべき場所だと思います。