【スリランカ旅行記146】高~いヤシの木に登って「ラ」をテイスティング!

ヤシの木

▲「ラ」づくりの行われている場所

こんにちは。スリランカのアラックというお酒が好きな黒崎です。

アラックというのは、早い話がヤシからつくるウイスキーで、ヤシの花の蜜を集めて発酵させ、それを蒸留してつくります。

そして蒸留する前の、発酵によってアルコールが出てきた状態が、「ラ」と呼ばれます。

ベントータではこの「ラ」づくりが盛んで、道を走っていると、ヤシの木に張られたロープを目にします。

ヤシの花に壺を設置して蜜を集めるのに、いちいちヤシの木を登り降りするのが大変なので、ロープを二本張って木から木へ移動するわけです。

そのためタイミングが合うと、ヤシの木を行き来する人を見ることができます。

ロープの貼られたヤシの木

▲木と木の間に貼られたロープ

あまりにも高い!ヤシの木

今回もロープの張られた木を見つけたので、誰か登っていないか見てみましたが、どうやら誰もいないようです。

そこで木ににじり寄って行くと、ヤシの木にはココナツの殻をつかった足がかりがあります。

それならということで、自分で登ってみることにしました。

登れるヤシの木

▲木ににじり寄って

とりあえず登ってみる

▲自分で登ってみる

とりあえず登ってみる

▲割とサクサク登れる

ヤシの木に取りつき、足がかりに足をかけると、結構簡単に登ることができます。

でも、一緒にいた人にもウケたのはいいのですが、しばし上を見上げて考え込んでしまいました。

 

あまりにも木が高いんです。

あまりにも高いヤシの木

▲果てしなく伸びるヤシの木

青空に向かって長く伸びるヤシは、どこまでも続く一本道のようです。

一目見て、「これは高すぎるな」と思いました。

 

でもスリランカ人はこれを上まで登って、さらにロープで別の木に渡るのです。

「スリランカ人ハンパないな」とも思いました。

 

下を見ると、私を見つめるガイドさんの目が雄弁に語っています。

「お願いだからやめてほしい…」

「もし落ちたらどうするの?」

「あなたがケガしたら私の立場は..」


真面目な彼を困らせるのは気が引けたし、あまりに高くて腰も引けたため、早々に降りてきました。

たとえ登り切っても、アラックにありつけるわけではないですしね。

ヤシの木

▲ちょっとこれは登れない!

民家で「ラ」のテイスティング

木を降りて道に戻ると、ガイドさんが嬉しそうな顔で教えてくれました。

道の向かいの家で「ラ」をつくっていて、少し飲ませてくれるというのです。

私が写真を撮ったりしているうちに、話をつけてくれていたんですね。

これは嬉しいサプライズです。早速お邪魔して飲ませてもらいました。

こうした時に、ガイドさんがいて良かったと実感します。

「ラ」のテイスティング

▲ラのテイスティング

マッチョなお兄さんが、バケツから「ラ」をすくってグラスに注いでくれました。

(てことは、この人さっきのヤシの木に登ってるってことですね!スゴイですね!)

 

「ラ」は、ちょっと酸っぱいヨーグルトという味で、まだあまりお酒という感じはしません。

発酵が進むともっと酸っぱくなるため、フレッシュなものしか飲めないそうです。

ラのテイスティング

▲「ラ」のテイスティング

蒸留すればアラック、発酵を進めればお酢となり、キトゥルハニー(ヤシの花蜜)の原料にもなるそうです。

ヤシの木は、本当に様々な恩恵を与えてくれます。

本来は売り物のようなので、少しチップを渡し、手を合わせて「アユボワン」と挨拶して別れました。

赤いスリーウィラーラーに「ラ」のバケツを積むと、彼らはどこかにそれを売りに行きました。

▲赤いスリーウィーラー

ベントータにて

▲走り去るスリーウィラー

スリランカでは、こうした予期せぬ寄り道が楽しいので、お客様にもうまく体験していただければと思います。

さて、次はストイックなアーユルヴェーダで知られる、ヘリタンス・マハゲダラホテルに向かいます。