ピンクの城壁に囲まれた街・ジャイプル
ジャイプルは、デリーの南西約260kmに位置するラジャスタン州の州都です。
城壁をめぐらせた旧市街の建物は、城壁の赤砂岩の色に合わせて淡紅色に塗られているため、“ピンク・シティー”とも呼ばれています。
ヒンドゥー教、ムガル、西洋の思想が投影されている都市として、2019年にインドで38個目となる世界文化遺産に登録されました。
荒涼とした丘にマハラジャの栄華を残すアンベール城
ジャイプルの北東11kmの丘の上には、アンベール城があり、外すことのできない見どころです。
1727年にジャイプルへ都が遷都されるまで、この地を支配していたカッチャワ・ラージプート族の首都がアンベールでした。
16世紀にこの地を支配したカッチャワ家の王国(アンベール王国)の砦に、1592年ムガル帝国の第3代皇帝アクバルの軍司令官ラージプート族の王様ラジャ・マン・シィン1世によって大規模な増改築が加えられ、以後、歴代の王に増改築されて、現在の形状となりました。
▲アンベール城
▲アンベール城内
宮中の女性がそっと外を眺めた風の宮殿(ハワーマハル)
1799年、ジャイプルを治めていた藩王(マハラジャ)の第5代当主サワイ・プラテープ・シンによって建てられました。
シティパレスの東側、大通りに面して建ち、赤色砂岩を外壁に用いた5階建ての建造物で、今やジャイプルのランドマークとなっています。
この「風の宮殿」の周辺は、ジャイプル一のバザールとなっています。
日用雑貨の他にもたくさんのお土産屋さんが連なっているので、風の宮殿をカメラに収めた後は、賑やかなバザールを冷やかしながら散策するとよいでしょう。
思わぬ掘り出し物が見つかるかもしれません。
▲ハワーマハル(風の宮殿)
現在もマハラジャが暮らす街中の王宮シティ・パレス
1727年、この地を治めていた豪族カッチャワ・ラージプート族の当主サワイ・ジャイ・シン2世がアンベールからジャイプルに移り住みました。
ジャイプルの街の名前のうち「ジャイ」は、創設者ジャイ・シン2世の名前からつけられました。
「プル」は「城壁に囲まれたヒンドゥーの街」という意味があります。
ジャイプルは、名前の通り、建設当時、高さ6m、総延長10kmを超える城壁で囲まれており、城壁には8つの門が設けられました。
ラジャスタン州の藩王(マハラジャ)は、ムガル帝国時代もイギリス領インド帝国時代も領地の自治権が保証されていました。
そのため、デリーやアグラなどとも比べて、より伝統的なインド的な雰囲気が今に残されいます。
▲シティ・パレス