▲クロアチアの生ハム(プロシュート)とチーズ
クロアチア料理の特徴
クロアチアは様々な国に接していて、歴史的にも関わりが大きかったため、料理についても影響を受けました。内陸部ではハンガリーやオーストリアなどの肉料理、海側ではイタリア料理や地中海料理の影響を受けたシーフードなど、様々な国の料理が食べられる一方で、「クロアチア料理は存在しない」といわれることもあります。
でも実際に行ってみると、クロアチアには周辺国のおいしいものが集まっていると感じられました。
豊かな自然が残るクロアチアは、山の幸も海の幸も大変魅力的です。また、素朴でシンプルな調理法が多いため、どの料理も必要以上に飾り立てることなく、新鮮な食材の持ち味を損なわずに味わうことができます。
▲様々な国に囲まれたクロアチア
ツアーで食べた代表的な料理
クロアチアの内陸部では、塩味の濃い肉料理が多く、海に面した地域ではシーフードが中心となります。特にイストラ半島は美食で有名な場所で、海と山を両方持ち、白と黒のトリュフまで採れるため、季節になるとグルメ志向の人々が大勢集まります。
そんなクロアチアのツアーで食べた料理を、場所と一緒にご紹介します。
▲クロアチアは新鮮な食材の宝庫!
内陸部の料理
ザグレブのホテル「エスプラネード」のビストロ
ザグレブにある5ツ星ホテル、エスプラネードのすぐ横にあるビストロでいただいた料理です。
味わい深いキノコのスープに始まって、温かなチキンソテーとよく冷えたワイン、上品な味わいのティラミスにコーヒーというランチでした。
日本を出発して長時間のフライトの後で食べたにも関わらずおいしくて、「クロアチアの料理は期待できる!」と感じました。
▲チキンソテーとマッシュポテト
前菜の生ハム(プロシュート)とチーズ
こちらはディナーを食べたレストランからです。内陸部はもちろん、クロアチアでは前菜といえば生ハム(プロシュート)とチーズが出てきます。
もとが保存食なので結構塩味が濃いのですが、味わいは店によって異なり、塩辛いだけのものもあれば、味わい深くておいしいものもあります。これはチーズにもいえます。
▲生ハムとチーズ
豪快な肉料理
日本人には量が多いと感じる豪快な肉料理を、さほど大柄でもないクロアチア人女性がペロリと食べていました。男女共に、クロアチア人の平均身長は日本人より相当高いのですが、それにしても肉をたくさん食べるようです。
▲豪快な肉料理(写真で見るよりずっと大きい)
サービスエリアのレストラン
ザグレブからイストラ半島へ向かう途中に寄った高速道路のサービスエリアで、何ともおいしそうな料理を見つけました。いい匂いが漂っていると思ったら、サービスエリアの厨房でどんどん料理をつくって並べているところでした。
野菜のお惣菜は、お皿の大きさで値段が決まっていて、大きなお皿は30クーナ(約600円)です。種類がかなりふんだんで、色とりどりでした。
ザグレブ風カツレツや、ハンバーグの煮込み、ソーセージを煮込んだスープなどは別料金で、パンやピザもここの厨房で焼いていました。ここでは食事をしなかったのですが、とってもおいしそうだったのでご紹介します。
▲サービスエリアの食事
食材の宝庫!イストラ半島
イストラ半島は海と山を両方持ち、「食材の宝庫」や「グルメ半島」と呼ばれます。
しかもトリュフの産地なので、黒トリュフだけでなく白トリュフも採れて、クロアチアワインのワイナリーまであります。
▲トリュフの採れる、イストラ半島の深い森
白と黒のトリュフ料理
ここでのメインは、白トリュフをスライスしたポークソテーをいただきました。白トリュフの方が黒トリュフよりずっと高級だそうで、実際に比べてみると香りが断然違いました。
▲白トリュフを使ったメイン、ポークソテー
プリトヴィツェの山小屋風料理
プリトヴィツェはザグレブから南へ110kmほどの場所にあり、多くの美しい湖が連なる景観が人気です。ここではプリトヴィツェ国立公園の手前にあるレストランで、山小屋風の料理をいただきました。各種グリル料理の他、炭で鉄鍋を覆って仕上げたスープや煮込み料理がおいしいレストランです。
▲各種のグリル料理
アドリア海沿岸部の料理
海沿いに南に進んでいくと、クロアチア料理はすっかり姿を変えます。
美しいアドリア海に面したエリアでは、大きな肉のかたまりはあまり見かけなくなり、新鮮なシーフードをふんだんに楽しめます。その種類も豊富で、各種の魚やタコ、海老、貝類の他、マグロの養殖場まであります。きっと日本人にはこちらの方が嬉しいですね。
▲美しいアドリア海
⇒マグロ養殖場「カリ・ツナ」で、マグロを刺身にしてみました!
シベニクのシーフード
シベニク旧市街で訪れたのは、タコサラダもマグロのステーキも、フレッシュな野菜と一緒に出てくる、ヘルシーでおいしいレストランでした。新鮮なマグロのステーキは、身が柔らかいのにほどよい弾力があって、日本で食べる火を通したマグロとは、かなり異なる食感でした。
また、時々添え物のように出てくるリゾットがとてもおいしかったです。
▲タコサラダ
▲マグロのステーキとリゾット
スプリトで食べた大皿料理
遺跡と人々の営みが一体化した街、スプリトのレストランでは、豪快な大皿料理を楽しみました。
前菜の大皿に始まり、ミックスグリルの大皿、フリッターなど揚げ物の大皿、グリル野菜の大皿がテーブルに置かれ、取り分けて食べるスタイルです。ボリュームたっぷりなのにどんどん食べられて飽きのこない、シンプルな料理は、素材の味わいの確かさを感じました。大皿で出されるので、グリルされて温かいまま供されるのも魅力です。
▲シンプルで豪快な大皿料理
ダルマチア地方の料理
アドリア海沿いにクロアチアを南下すると、ダルマチアと呼ばれる地方に入ります。この地方では比較的外国の影響が少ない、古くからのクロアチア料理に触れることができます。
ステーラ・クロアティカの伝統的なお菓子
ステーラ・クロアティカは、ダルマチア地方の伝統的な手法でつくられたお菓子を中心に扱っている施設で、昔の村を模した建物がつくられ、かまどを使ってパン焼きの実演なども行っています。
▲ステーラ・クロアティカ
味見といいながら、ワインと軽食ビュッフェをたっぷり振る舞ってくれました。
お菓子類の販売も行っていて、どれも自然な味わいなのでおすすめです。試食があるのでぜひ試してみましょう。
▲ステーラ・クロアティカの食事
ストンの生ガキ
城壁の街ストンでは、きれいな海水を利用してカキの養殖が行われています。
ストンの生ガキは人気の名物で、やや小ぶりながらもプリッとしてクセのない味わいがたまりません。他にもムール貝など、各種のシーフードをふんだんに味わうことができました。
▲ストンの生ガキ
ドブロブニクのシーフードレストラン
世界遺産ドブロブニクの中にも多くのレストランがあり、ここの名物は手長海老などのシーフードです。写真の手長海老は本当に味がよく、海老味噌も絶品でした。
▲ドブロブニクの手長海老とムール貝
クロアチアで食べたデザート
ティラミスやパンナコッタ、丸いチョコレートケーキやアイスなど、クロアチアでは各国のスイーツを楽しめました。
どれも甘すぎず、それぞれに味わいがあるため、お腹一杯でもつい手が出てしまうおいしさでした。
▲生クリーム入りのチョコボール、ラズベリーのソースがけ
クロアチアのお酒
当たり前のように毎食ワインが振る舞われ、クラスの高いホテルでは朝食ビュッフェにもワインやシャンパンが置かれているため、お酒はお好きなだけ楽しむことができるでしょう。
イストラ半島にはワイナリーがあって、貯蔵庫からいろいろなワインを出してテイスティングさせてくれました。
▲ワイナリーでテイスティング
ただ、普段飲みつけないワインを毎日飲んでいると少々飽きてしまいますので、途中からビールに切り換えるのもおすすめです。クロアチアのビールはすっきりしていてクセがなく、飲みやすいので、ワインに疲れてしまった後に嬉しいお味です。
▲クロアチアのビール
クロアチア料理の感想
内陸部では肉料理が多く、多くのレストランでは、お決まりのように前菜には毎回生ハム(プロシュート)とチーズが出てきますが、レストランによって結構味が違います。
ただ、その後に肉料理が続くとさすがに疲れてしまうため、時にはセットメニューを避けてアラカルトで頼んでみるのもおすすめです。毎回セットメニューを食べると食事に時間もかかりますので、時にはスマートに、軽めに済ませるのも恰好いいですね。リゾットがとてもおいしかったので、頼んでみると良いと思います。
▲イカスミのリゾット(左)とシーフードのパスタ(右)
シーフードに関しては、日本人はあまり飽きることがないので、心ゆくまでお楽しみいただくのが良いと思います。アドリア海の澄みきった水が育んだシーフードは、どれも雑味がなくて味わい深いものばかりでした。
また、かなり野菜が出てくるので、たくさん食べておくのが良いと思います。そしてパンをあまり食べなければ、お酒を飲んでもそれほど旅行中に体重が増えることはないと思います(笑)。
クロアチア料理は、素材の確かな味わいと新鮮さを損なわない、シンプルな調理法でいただくのが一番です。「昔のままの地中海が残る」といわれるクロアチアでは、恐らく昔の人々が食べていたものと変わらぬ料理を楽しむことができます。
人も料理も素朴で素直なクロアチアで、ぜひおいしい食事をお楽しみください!
▲気さくなレストランスタッフと一緒に