▲大分県竹田市にある、穴森神社
こんにちは。子供の頃は洞窟探検に憧れていた黒崎です。
大人になってからは、さほど洞窟に入りたいとは思わなくなりましたが、今回大分県竹田市で、大蛇の伝説があるという神社の洞窟を探検してきました。
聞けば平家物語の一説にも登場するという、由緒ある神社だそうなので、ごく簡単に説明してみます。曰く、
昔、男とねんごろになって身ごもった娘がいたけれど、男の正体が分からずじまいだったため、襟に糸を通しておいて後を追ったところ、ある洞窟に着いた。
呼びかけると、「お腹の子は男子に違いなく、武勇に優れた若者になるだろう」と声が聞こえた。
「自分は恐ろしい姿をしているので会えない」と言われたが、それでも会いたいというと、「そんなに言うなら…」と言って大蛇が出てきた。
▲姿を現した大蛇
大蛇の言った通り、子供は立派な若者に成長し、その一族は永く繁栄した。
という話のようです。
今ではこの洞窟から小石を持ち帰ると、子宝に恵まれるということになっていて、実際に子宝に恵まれた人が感謝の意を表して灯篭を立てたり、階段を作ったりしています。
ちなみに願いがかなったら、石は洞窟に返すことになっているそうです。
私にはもう子供がいますが、そんな有難い洞窟ならぜひ入ってみたいと思うので早速行ってみます。
▲穴森神社へ
穴森神社は山の中にあって、無人です。
しかも訪れた時は雪が降っていて、鳥居は壊れて修復中だったため、寒々しくて寂しい印象でした。
荒涼とした雰囲気が、大蛇伝説にピッタリです。
▲穴森神社の社
社の後ろから階段を降りると、大岩の下に洞窟が口を開けていて、その近くに祭壇のようなものがあります。
▲階段を降りて洞窟へ
洞窟の奥から大蛇の形をした木が見つかったそうで、それがご神体として祀られているという説明があったのですが、この中にあるのでしょうか。そのあたりはちょっと不明です。
洞窟の中は真っ暗なので、照明が用意されていて、200円入れると30分間ライトがつきます。
時間が過ぎると本当に消えてしまうため、心配な方は懐中電灯などを用意しておくとよいでしょう。
▲200円入れると
▲ライトがついた
さて、洞窟の中に歩を進めてみます。
▲洞窟の中へ
中は結構広くて天井も高いので、しばらくは立って進めます。
大きな岩の上には石が積まれています。
石を持ち帰る、という話だったと思うのですが、ただ積んだのか、戻した石を積んだのか、このあたりもちょっと不明です。
▲どころどころに石が積まれている
洞窟は傾斜していて、だんだん天井が低くなるので、途中からは中腰になって進みます。
ゴロゴロと転がった岩に手をつきながら進むと、しまいには本当に低くなって進めなくなりますが、案内してくれた人によると、洞窟は完全に行き止まりではなく、どこかに続いているとの話でした。奥行きは100mちょっとだそうです。
奥まで行っても特に何もなかったのですが、唯一出会えたのが、天井からぶら下がったコウモリ達でした。
羽根をたたんでつぼみのような姿になり、我々が会話していても微動だにしませんでした。
▲天井からぶら下がったコウモリ
さて、ライトが消える前に地上に戻り、周囲をもう少し見てみます。
▲洞窟から出るところ。左に「子授け石」とある
夫婦杉と七福神と蛇岩
子宝に恵まれる洞窟ということで、近くには「夫婦杉」なるものもあります。
▲夫婦杉
そして、このあたりからちょっと怪しくなるのですが、その横にある大きな石には大蛇の目と口が描かれていました。
緑の苔が大蛇の鱗のように見えて、目と口のまわりは苔を取り除いてあるようです。
いたずらの域を出ないオブジェのようにも思えるのですが、ちょうどいい岩があったものです。
▲蛇のアタマ(の岩)
なぜか七福神も祀られていて、木の板には次の文句が書かれていました。
「投銭すれば心豊かに実をつける、盗銭すればいずれ静かに身を落す」
ちょっと残念な注意書きですが、無人のせいか賽銭ドロがいるようです。
▲七福神の像
そんなこんなで、少々怪しげなところもあるパワースポットなのですが、灯篭や階段が寄贈されていることを見ると、本当にご利益があるのかもしれません。
ご興味のある方はぜひお越しください。
緒環(おだまき)の薬膳ごはん
洞窟探検の後は、近くにある「神の里交流センター緒環(おだまき)」のレストラン、「ふるさと薬膳おだまき」で、薬膳ごはんをいただきました。
レストランの他、ここでは地元の様々な体験が出来るそうです。建物の手前には、大蛇伝説の説明があります(写真左の部分)。
▲神の里交流センター緒環
ここのメニューは、カレーやチャーハン、オムライスといったものが700円。
「野草薬膳」と呼ばれる御前が各2000円でした。
主菜以外は大体同じで、植物の名前がついています。
せっかくなので、いくつ読めるかチャレンジしてみましょう!
1.百合
2.番紅花
3.蒲公英
4.艾葉
5.問荊
いかがでしょうか。
答えは下の通りです。
1.ゆり
2.さふらん
3.たんぽぽ
4.よもぎ
5.すぎな
私は5の問荊(すぎな)が何だか分からなかったので調べてみたら、土筆(つくし)の別名だそうで、つくしんぼのまわりに生えているあの草のことでした。
ここの薬膳ごはんは、蒲公英(たんぽぽ)だけはほとんど野菜類で構成されていますが、それ以外は魚や肉も出てきます。
▲これは番紅花(さふらん)
地元で採れた食材を使って、地元のおばさん達が丁寧につくってくれるので、温かいうちにいただくのがおすすめです♪(黒崎)