スリランカ名産の紅茶♪セイロンティーをもっとよく知ろう!

紅茶摘み

スリランカのセイロンティーについて、その歴史、特徴、実際の楽しみ方などを紹介しています。

セイロンティーの歴史

紅茶の父と、紅茶の王

現在、世界中の人々に愛されるセイロンティーがあるのは、その研究に生涯をかけたスリランカ紅茶の父、ジェームステイラーの功績です。また、今や誰もが知る紅茶ブランド「リプトン」の産みの親、サー・トーマス・リプトンによって、スリランカの紅茶は世界に通じる高級ブランドへと成長していきました。

ジェームステーラー 【Mr. JAMES TAYLOR】

ジェームステーラーセイロンティーの父と呼ばれるジェームステーラー(1835年~1892年)は、スリランカの紅茶産業の基盤を築いた人物です。
150年前のスリランカではコーヒーの生産が盛んで、スコットランド人のジェームステーラーは、コーヒープランテーションで働くためにスリランカのキャンディへとやってきました。

しかし、1860年代には「さび病菌」によりコーヒープランテーションが衰退してしまい、次第にお茶の栽培が試されるようになります。ジェームステーラーも1867年にお茶の木の栽培に乗り出し、茶葉から最良の香りを引き出すための栽培方法と処理について実験を繰り返しました。

その手法は他の農園にも広がり、ロンドンの紅茶市場で高い評価を受けるようになると、テーラーは紅茶栽培に人生をかけ、製茶機械を開発し、製茶工場を作って最良のセイロン紅茶を世界に広めていきました。

キャンディ郊外の紅茶博物館に行くと、ジェームステーラーの功績と遺品が展示されており、実際に使われた研究器具や道具を見学することができます。

サー・トーマス・リプトン

サー・トーマス・リプトン1890年トーマス・リプトンは、世界一おいしい紅茶を求めてセイロン島(現在のスリランカ)に船出し、ウバのハプタレー地域に広大な土地を買ってインドのアッサム種を植えました。そして紅茶づくりにブレンディングという巧みな技術を取り入れ、かつてないさわやかな風味の紅茶を作り上げました。

これがスリランカ産紅茶の人気を高め、のちに「紅茶王」と呼ばれるまでの地位を築き上げました。

リプトンの紅茶は手頃で質が良いとされて広まり、「茶園から直接ティーポットへ」というスローガンのもと、誰もが気軽に楽しめる飲み物として大成功をおさめました。

こうした功績から、後にリプトンはヴィクトリア女王から王室御用達の栄誉を授かり、サー・トーマス・リプトンと呼ばれるようになって、リプトン紅茶は誰もが知るブランドとなったのです。

セイロンティーは、日本でも多く飲まれるスリランカの名産品

スリランカの紅茶スリランカ独自の風土が育む優れた紅茶

セイロンティーの「セイロン」とは、スリランカ民主社会主義共和国の旧国名です。

スリランカで紅茶が本格的に作られ始めたのは、わずか130年前のことですが、現在スリランカは世界有数の紅茶生産国となり、セイロンティーという名も、今や世界中で「おいしい紅茶」の代名詞となっています。

セイロンティーは色、味、香りの3要素のバランスが良くとれていることが特徴で、周囲を海に囲まれたスリランカの地形とモンスーンによる雨と風の微妙なバランスが、世界に愛される美味しい紅茶をつくり出しています。

スリランカ全体の紅茶生産量は24万トンを超え、その96%が海外に輸出されており、ティーバッグの生産を始めた最初の紅茶生産国でもあります。

現在スリランカでは年間2万トン以上のティーバッグを輸出し、日本でも沢山の紅茶が飲まれています。

セイロンティーの種類と品質は、産地と標高によって区別されるんです

紅茶の種類

スリランカでは主に5つの産地(ウバ、ヌワラエリヤ、ディンブラ、キャンディ、ルフナ)で紅茶が生産されており、さらにそれぞれの紅茶は、製茶工場の位置する標高によって3つの品質に区分されます。

ハイグロウンティー(高地産)

標高4000フィート(約1300m)以上の製茶工場で生産される紅茶で、セイロン紅茶の高級品にランクされます。

独特のデリケートな味と爽快な渋み、香気をもち、水色(すいしょく)は明るいのが特徴です。ウバ、ヌワラエリア、ディンブラがセイロンの三大ハイグロウンティーです。一般的に味が濃いためミルクティー向きで、高地の冷涼な気候のもとで作られるハイグロウンティーは、セイロン紅茶で最高級品とされています。

ミディアムグロウンティー(中地産)

標高2000~4000フィート(670~1300m)の製茶工場で生産される紅茶で、渋みはやや弱く力強い味を持ちます。

ハイグロウンティーよりコクがあって香りが芳醇なため、ブレンドのベースにも適しています。キャンディが産地で日本や北アメリカで好まれています。

バランスの良い味わいで、どんな飲み方にも適した紅茶です。

ローグロウンティー(低地産)

標高2000フィート(670m)以下の製茶工場で生産される紅茶で、一般的に香りは弱く、水色が濃いのが特徴です。

ルフナが主な産地で、そのままストレートで飲んだり、ミルクや砂糖、果汁などを入れるとちょうど良い味わいとなります。

抽出液が濃く味がしっかりしているので、ペットボトル入り紅茶などにルフナの紅茶が良く使われます。

セイロンティーの買い方と楽しみ方

100%純正セイロンティーの証「ライオンロゴ」

セイロンティーロゴ紅茶の缶やパッケージについているCEYLON TEA(セイロンティー)のロゴは、スリランカ紅茶局が認証する基準を満たしている事を証明するロゴです。

スリランカの国旗にもあるライオンのロゴは、スリランカ紅茶局の一定基準を満たす、100%純正のセイロンティーであることを証明する安心のマークです。お買い物の際にはチェックしてみてください。

おいしい紅茶の入れ方

リーフティー

用意するもの: 蓋付きのポット  茶器

1) 沸騰する直前の、熱いお湯をたっぷりと用意します(4名分ならば2リットルくらい)。
2) 最初に、熱いお湯で茶器や紅茶を入れるポットを温めておきます。
3) 茶器の数1に対してティースプーン1の茶葉を、温まったポットに入れます。
4) お湯は1人150ccを目安に、人数分のお湯をポットに注ぎます。
5) 細かい茶葉は2~3分、大きめの茶葉は3~4分、ポットにふたをして蒸らします。
6) ポットの茶葉をそっとかき回して濃さを一定にしてから、温めた茶器に注ぎます。

ティーバッグ

美味しい紅茶の入れ方ティーバッグの場合、お湯を入れたら、ソーサーなどでカップに蓋をして蒸らしてください。蒸らす時間は3分が目安です。ティーバッグは決して絞らずに、そっと1回転して取り出してください。

スリランカの紅茶店では、茶葉に合わせた蒸し時間を計れる砂時計を販売しています。紅茶と一緒にお土産にもなるのでおすすめです。

 

スリランカ名産の紅茶、セイロンティーについて、少し詳しくご紹介してみましたがいかがでしょう。

様々な紅茶体験のできるツアーもどんどんご提案していきますので、お楽しみに!