アーユルヴェーダ 実体験インタビューVol.2 本格的にアーユルヴェーダを始めて体験した「かなりつらい」治療とは?

黒崎 アーユルヴェーダにはまって、年に2~3回はスリランカに通うというAYAKOさんに、引き続き詳しいお話を伺います。

インタビュー第2回の今回は、実際に体験された治療と、アーユルヴェーダの進め方についてです。

アーユルヴェーダは医療行為ですが、AYAKOさんいつ頃からそれを意識しましたか?

AYAKO 最初はいわゆる治療にもならなかったし、「ここを治したい」という気もなかったんですが、興味を持って滞在が長くなるにつれて、ドクターから、「次はこういったことをやってみましょう」という治療の種類が増えてきて、治療というところにも目を向けるようになりました。

 

いきなり、「一番つらい」と評判の治療を体験!

黒崎 具体的な治療としては、例えばどんなものがありますか?

AYAKO 私は耳鼻科系が弱くて、多くの人がアーユルヴェーダで一番つらいと言う、鼻からオイルを入れて口から出す、「ナスヤ」と呼ばれる施術を行いました。

気管を広げて、老廃物や菌を出しやすくすることが治療の目的なんですが、オイルだけでなくハーブを燻した煙を吸い込まなければいけなかったりするんです。

 

ナスヤ

▲鼻からオイルを入れて口から出す、ナスヤの治療(イメージ)

 

それはもう本当につらかったんですけど、いきなりそのつらいのを経験して…。でも、その効果は現れました。

鼻の調子が悪い理由としてドクターは、片方の鼻の穴が小さく縮んでしまっていて、空気が取り込めていないと言うんですね。片方だけで呼吸をしていて、空気が循環していないので粘膜が弱くなっていると。でもそこの治療をしたことによって、確かに少しずつ息が両方で吸えるようになるのを感じました。

でも日本に戻るとまた戻ってしまうので、またスリランカに行って改善しようという…。

 

黒崎 残念。戻ってしまうんですね。スリランカに行けない間はどうするんですか?

AYAKO ドクターから呼吸法などを教わるので、自分でそれを行います。

ただ、本来は毎日やらなくてはいけないんですが、つい3日ぐらいでやらなくなって…。でもアーユルヴェーダにはまるにつれて、以前よりドクターの言うことを守るようになってきました。

 

3つの段階で進んでいく、アーユルヴェーダの治療

黒崎 アーユルヴェーダの進め方には、3つの段階がありますね。

AYAKO はい。最初がプリアクティビティー、次がメインアクティビティー、最後がフォローアップです。

 

治療の準備段階、プレアクティビティー

AYAKO プレアクティビティーは、ドクターの問診や脈診から始めますが、これは次の段階に進んでも毎日行います。

本格的な施術を受けるための準備期間ですが、この段階でも施術はあって、例えば有名なシロダーラ(額に温めたオイルを垂らす施術)もここに入っています。

ただ、シロダーラも体を整えてから行う必要があるため、数泊では行えません。

ここでは、体内の悪いものを外に出しやすくするために、出しやすいところに寄せていくんです。

 

悪いものを体外に出す!メインアクティビティー

AYAKO 次がメインアクティビティー。パンチャカルマとも呼ばれる段階で、体の中の悪いものを外に出します。

いろいろな方法があって、時には下剤を飲むなどもして、寄せて集めた毒を体外に排出させます。

 

体を休めて栄養をとる♪ポストアクティビティー

AYAKO 最後がポストアクティビティー。フォローアップとも呼ばれ、パンチャカルマで弱った体に体力をつけるため、栄養を体に取り込む仕上げの段階です。

この段階では、スチームバスやサウナのように、体に残った毒素を毛穴から出す施術が行われたりもします。

準備段階で行うこともありますが、とってもラクで気持ちいい施術なので、つらいパンチャカルマの後のお楽しみになっています。

サウナで毛穴から毒素を出しきる

▲毛穴から毒素を出しきる、サウナ(イメージ)

 

苦しくても効果的!な、アーユルヴェーダの治療

黒崎 お話に出た「ナスヤ」について、もう少し教えていただけますか?

AYAKO ナスヤはパンチャカルマの段階なので、いきなりは出来ません。私も3泊だけの頃はそこまで行けず、もっと長く滞在するようになって出来るようになりました。

 

黒崎 ドクターはヒアリングから始めて、脈診だけでもいろいろなことが分かるようですが、受ける側の準備が必要ということなんですね。

AYAKO そうです。例えばナスヤで何が必要かというと、鼻からオイルを入れて口から出すために、筋肉を和らげなくてはならないため、マッサージをしたり、とにかく温める、ということが必要となります。

ナスヤを行う時は、とにかく体を冷やさないようにと言われます。ですからプールで泳ぐことや、冷房の効いた車に乗ることも止められます。

 

黒崎 とにかく体を冷やしてはいけないんですね。プールサイドで寝転がっていたりするのは構わないんですか?タオルにくるまったりして。

AYAKO はい。それは大丈夫です。でも、外出すると意識が外に向いてしまい、自分と向き合うことが出来ず、治療の準備が遅れるため、車に乗って出かけるような外出は控えるように言われます。

 

黒崎 そんな風に聞くと、自由がないな、とも思えますが、言われたことをしているうちに「ああなるほど」「この方がいいな」と納得がいくようになってくるものですか?

AYAKO はい。そうですね。治療も、最初は涙を流しながらやっていたりしますが…。

 

黒崎 あんまり苦しいのはイヤですね。

AYAKO イヤです(笑)。でも苦しくても泣きながらやってます。「あなたにとっていいこと(you need this!)」と言われるので。

オイルを吸うと力が入るので、頭が痛くなることがあるんですね。そうするとセラピストやドクターがマッサージをしてくれて、それでも痛いんですけど、何度も繰り返して治療を進めていきます。

初めてのナスヤの時は、涙を流しながらドクターの手をつかんで「もうやめて!」と訴えたこともあります。でも、結局治療は続けられました(笑)。

ドクターは、どんな治療でどんな反応が出るかを良く知っているので、それに対して適宜対応してくれるんです。

 

つらい時にも頼れる!信頼できるドクターとセラピスト

黒崎 治療の時はいつもドクターが一緒にいるんですか?

 

AYAKO はい。準備期間のプリアクティビティーでは、経験を積んだセラピストが施術をしてくれることが多いんですが、治療期間のパンチャカルマに入ると、ドクターが一緒について進めてくれます。

パンチャカルマは、より技術が必要になってくるものなので..。

 

経験を積んだセラピスト達

▲経験を積んだセラピスト達

ナスヤを担当してくれたドクター・ディヌシュカ

▲ナスヤの治療を担当してくれたドクター

 

黒崎 AYAKOさんのお話を伺うと、本格的なアーユルヴェーダがどんなものか、だんだんイメージが出来てくるように思えます。

 

次回は、ツアー中に受けるような、もう少し一般的なアーユルヴェーダについて伺ったことをご紹介します。