紅茶工場を改装したホテル。ヘリタンス・ティー・ファクトリーの楽しみ方

メディア・コーディネイター”セレンディピティ倶楽部”が語るスリランカの旅物語

~紅茶のテーマホテル第2弾 ヘリタンス・ティー・ファクトリー~

ヘリタンス・ティー・ファクトリー

▲ヘリタンス・ティー・ファクトリー

先日ご紹介した“セイロン・ティー・トレイルズ”に続き、“紅茶”をテーマとしたホテルとしてぜひおすすめしたいのが“ヘリタンス・ティー・ファクトリー”です。

ヘリタンス・ティー・ファクトリーは、紅茶工場を改装してつくられたホテルで、ヌワラエリヤでスリランカの紅茶を体験したい方にピッタリです。

弊社(セレンディピティ倶楽部)が、初版に続き改訂版の取材企画&コーディネイトを担当させていただいた“aruco~改訂版(2014年12月05日発売”でも、今回は3ページ弱に渡りイラスト&写真入りで詳しく紹介されています。

ここでは、ヘリタンス・ティー・ファクトリーに滞在する際の楽しみ方を、いくつかご紹介します。

紅茶の里ヌワラエリヤでは 「雨の恵み」を楽しもう

スリランカの旅行手配や取材コーディネイトで、頭を悩ます三大要因の1つがお天気です。お天気ばかりは、どうにも変えることができないため、日にちを決めたら晴れることを祈るばかりです。

でも、その例外となる場所が1つだけあります。

それが「セイロンティーの聖地・ヌワラエリヤ」で、ここは雨が降ると本当に美しいんです!

もちろんずっと雨では困りますが、雨が降る前の霧が立ち込める幻想的な風景、雨が降った後に太陽が雲の合間から差し込む神々しい風景、そして、雨の恵みを受けた茶葉が、太陽の光を浴びてキラキラと輝く風景が見られるのは、雨の時だけなのです。

ヌワラエリヤで美味しい紅茶が取れる理由の一つは、「しっかり晴れる時間」と、「たっぷり雨が降る時間」が両方あるという独特な気候条件です。

時期にもよりますが、基本的に雨がたくさん降り、霧もよく出るのがヌワラエリヤだと思ってください。ですから、「ヌワラエリヤに滞在する」=「すぐに変わるお天気や雨や霧を楽しみに行く」という前提で、旅のプランをお考えになるとよいと思います。

ヘリタンス・ティー・ファクトリーの楽しみ方

移り変わる景色

ヘリタンス・ティー・ファクトリーに滞在するメリットは、様々に移り変わるヌワラエリヤの風景を楽しめる点です。周りを茶畑に囲まれた高台に建っているため、ヌワラエリヤの気ままなお天気が生み出す「茶畑でのネイチャーショー」をたっぷり楽しむことができます。

高台に建つヘリタンス・ティー・ファクトリー

▲高台に建つヘリタンス・ティー・ファクトリー

暖かいスリランカでは意外に思われますが、ヌワラエリヤでは、雨や霧によって気温が下がると、暖炉に火を入れることもあります。そのため、温かいホテル内でゆっくり紅茶をいただきながら風景を楽しめるのは良い点です(稀ではありますが、雪が降ったこともあります。ヌワラエリヤを訪れる際は、フリースやセーターなどを1枚お持ちください)。

なお、雨や霧は午後に多いので、茶畑でのネイチャーショーを体験されるなら午前中がおすすめです。加えてホテルでの紅茶体験を楽しむなら、ホテルで午前中を2回過ごせる「2連泊」での滞在をおすすめします。

早朝の茶畑散歩

ヘリタンス・ティー・ファクトリーにお泊りの際におすすめしたいのが、一見、地味なプログラムではありますが、早朝と夕方の2回、ホテルが行っているエコ・ガイドが付く“ネイチャー・ウォーク(約2時間)です。

早朝プログラムの良いところは、比較的晴れていることが多い時間帯なので催行率が高いことと、バードウオッチングが楽しめることです。夕刻プログラムの良さは、お天気がよければしっとりとした「夕景&茶畑」の景色が楽しめる点です。

「2時間はちょっと長い」という方は、ご自身でホテルの周りの茶畑をお散歩することもできるので、1日は早起きをしてお散歩してみてはいかがでしょう。

ランチまたは早めのディナーとしてハイティーを

ハイティー

▲ハイティーの例(イメージ)

紅茶の楽しみ方の一つ、「ハイティー」は、もちろんヘリタンス・ティー・ファクトリーでもお楽しみいただけます。

もともとハイティーは、15時~18時頃にいただくものですが、中身はサンドウィッチなどもあってかなりボリュームがあるので、夕刻にハイティーをすると、お腹いっぱいで夕食を美味しくいただけません。

そこでおすすめなのが、ハイティーをランチ代わりにリクエストするという方法です。

多くのホテルではハイティーの時間帯以外でのサーブは断られるのですが、ヌワラエリヤでは、ジェットウィング・セント・アンドリュースとヘリタンス・ティー・ファクトリーで、事前予約をすれば受けてくれます(ピーク時はできないこともありますので、事前確認が必要です。ツアーアレンジの際にご相談ください)。

また、早めのディナーとしてハイティーを頼むのもよいと思います。

スリランカ旅行で体調を崩される理由の一つが「食べ過ぎ」です。観光のために移動の多いツアーだと、遅い時間のビュッフェが続きがちなので、時々ごく軽めに済ますか、早い時間に夕食を取るなどして胃を休め、翌日に早朝散歩にでかけると体調もよくなります。また、何といっても人気の朝食が美味しくいただけます!

茶摘み体験&ミニ紅茶工場見学

ホテルのプログラムとしてぜひ体験していただきたいのが「ティープラッキング&ミニ紅茶工場見学」です。

紅茶工場

▲整備された紅茶工場

このプログラムで面白いのは、紅茶を摘んだ場所で採れた「新鮮なティーリーフ」を1パック出発時にもらえることです。
時々横からぽろぽろと茶葉がこぼれてくる、紅茶工場独特のパッケージングですが、この紅茶が美味しいのです!紅茶は鮮度によって味がかなり変わるため、産地直送が一番です。

スリランカでは多くの店やスーパーなどで紅茶を購入できますが、やはり紅茶工場で直接購入する紅茶はみなさん「美味しい!」とおっしゃいます。

紅茶工場の見学は、キャンディ、ヌワラエリヤなどの数ケ所でできますので、ホテルにご宿泊でない方でもぜひ紅茶工場に立ち寄ってみてください。
(ただ、工場直送のパッケージをスーツケースに入れる際はビニール袋などの袋で包むことを忘れずに・・茶葉がぽろぽろ溢れることがあります。)

ティーバッグづくり

▲ティーバッグづくり

紅茶列車でのディナー

2泊される方におすすめなのが、“紅茶列車でのフルコース・ディナー”です。

1泊2食料金にUSD75ドル追加という、スリランカではなかなかの料金ですが、当時実際にヌワラエリヤからコロンボまで紅茶を運ぶのに利用していた、ヴィンテージ列車を使ったユニークなディナーで、1日4組(1テーブル4名まで)限定で、夜のみ営業で実施されています。

スリランカ式、庶民の紅茶を楽しむ

スリランカには、地元の人に愛されている“スリランカ式ミルクティー"というものがあります。

その一つが、”ヤードティー“または”ヤーラティー"と呼ばれているもので、これは紅茶を注ぐ際に空気を混ぜることで味に深みを増し、さらに美味しくなるというものです。

今までもいくつかの雑誌やガイドブックでも紹介させていただいたこともあり、よく「どこでこのヤードティー飲めますか?」という質問を受けますが、スリランカ式のヤードティーをお楽しみいただけるのは地方が中心で、一番はこのヌワラエリヤです。

ただ、地元の方々の飲みものなので、ついつい「お水は大丈夫?」などという心配が頭をよぎります。観光客のみなさまがこのヤードティーを安心してお楽しみいただける場所の一つが、ヌワラエリヤではヘリタンス・ティー・ファクトリーまたはジェットウィング・セント・アンドリュース、シギリヤではホテル・シギリヤ、コロンボではディルマ・ティー・ラウンジなどです。ぜひ、本場のミルクティーお試しください。

紅茶好きならぜひ泊まりたい“フラワー・デュー・スィート

紅茶が大好きでヘリタンス・ティー・ファクトリーを目的にいらっしゃるなら、ぜひおすすめしたいのが、「フラワー・デュー・スィート」です。

このお部屋は、3方向が窓となっているため、お部屋のカーテンを開けておくと、まるで紅茶畑の中にいるような感覚が味わえます。

こぢんまりとした、まるで邸宅の一部のようなお部屋で、ゆっくり紅茶をいただきながら過ごす1日は、本当の意味での至福の旅時間が過ごせます。また、ぜひ茶畑を眺めながらのバスタイムもお楽しみください。

ヘリタンス・ティー・ファクトリーの楽しみ方、ヌワラエリヤでの過ごし方をご紹介してみましたが、いかがでしたでしょうか。紅茶の里ヌワラエリヤを訪れたなら、ぜひこの場所ならではの滞在をお楽しみください。

ヘリタンス・ティー・ファクトリーの部屋(例)

▲ヘリタンス・ティー・ファクトリーの部屋(例)