【本当のセイロンティーで人を幸せに!】スリランカ紅茶のセミナーで、素晴らしい「ディルマの物語」を聞いてきました。
▲セミナー会場
こんにちは。コーヒーも飲みますが、紅茶が結構好きな黒崎です。
今日は、東京駅に隣接したシャングリラホテルで、スリランカ産紅茶のセミナーに参加してきました。
スリランカの紅茶をいろいろな料理に使おうという試みで、立派な会場でテーブルについてのセミナーです。
参加者は、様々なホテルの料飲部門の方が中心で、雑誌などメディア関連の方もいました。
▲会場の様子
私は唯一旅行会社からの参加で、せっかくお招きいただいたので喜んで参加しました。
主催者は、日本でディルマを取り扱っている「ワルツ」という会社で、スリランカ大使館からは副大使が、日本紅茶協会からは理事の方が来るなど、たいへん盛況な会でした。
料理も紹介したいのですが、「ディルマの物語」が素晴らしかったので、まずそれをご紹介します。
創設者メリルの掲げた理想
▲ディルマの紅茶
「ディルマ」というのは、スリランカ紅茶のブランドで、まだ歴史は26年ほどです。
スリランカは言わずと知れた紅茶の産地ですが、長く植民地だったこともあって、紅茶づくりと流通は欧米の会社に牛耳られていました。
紅茶は鮮度が重要な飲み物で、長く貯蔵されて出荷されると、味が落ちるばかりでなく、本来持っている天然の抗酸化成分が失われてしまいます。
ですが、価格ばかりが重視されて、製法は伝統的なものから離れ、その質も落ちていました。
しかも、ひどく買い叩かれた紅茶は、他の国の紅茶とブレンドされて流通していたのです。
これではスリランカ産の紅茶が正しく評価されず、紅茶農家は、どんなに真面目に働いても報われません。
飲む人にとっても、つくる人にとってもよくないのです。
それを解決しようとした、ディルマの創設者であるメリル氏は、2つのことを目指しました。
▲ディルマの創設者、メリル氏
「新鮮でおいしい紅茶を、世界の皆様に」
「その収益を、産地で働く人々のもとに」
若きメリル氏は、生涯の目的となるこの理想を掲げました。
スリランカから世界へ、本当の紅茶を
メリルはイギリスで勉強してスリランカ人初のティー・テイスターとなり、スリランカに戻ると、紅茶の貿易を始めました。
そのビジネスで成功を収めたメリルは、本来の理想に向けて動き出しました。
茶葉の収穫から紅茶の製造、パッケージから流通までをスリランカで一貫して行えば、飲む人には新鮮でおいしい紅茶を安価に届けられ、つくる人には収益を還元できます。
紅茶で利益を上げていた欧米の会社からは疎まれて、散々に文句を言われ、妨害も受けました。
「価格や流通は我々が決める」
「スリランカは今まで通り、黙って紅茶をつくっていればいいんだ」
しかし、メリルは屈しませんでした。
そして、数々の困難を乗り越えて、ついに初のスリランカ産紅茶ブランド、ディルマを立ち上げたのです。
ディルマは伝統的な製法と鮮度にとことんこだわり、他の産地の紅茶と混ぜない、100%のセイロンティーとして人気となりました。
▲茶摘み風景
誠意を表すブランド名
彼がどれだけの誠意を持ってこの事業に取り組んでいるかは、ディルマというブランド名からも分かります。
メリルには2人の息子がいて、1人がディルハン、もう一人がマリクといいます。
この2人の名前を合わせて名づけられたディルマは、3人目の息子ともいえる、かけがえのない存在なのです。
「3人目の息子のように。大切に育てたい。」
メリルの心は、この言葉に現れています。
▲メリルと息子たち
こうして理想を実現した後も、メリルの心は数十年前と変わりません。
かつて掲げた理想のままに、「ビジネスは人を支えるための活動」との理念を持ち、慈善基金を立ち上げました。
MJF慈善基金と名付けられたこの基金は、恵まれない環境にある人々にただ施しをするだけでなく、自立を促し、その手助けをするものです。
職業訓練、教育、さらには環境問題にまで取り組み、ディルマはまさに、スリランカにとってなくてはならない存在となりました。
▲ウバのアイスティー
▲色も香りも違う、数々の紅茶
伝統的なセイロンティーの製法を守り、新鮮でおいしい紅茶にこだわるディルマは、今では世界中のシェフやバーテンダー達と協力して、新たな紅茶の楽しみ方を提案し続けています。
と、その一環として今回のセミナーが行われ、私はその恩恵にあずかってきました。
次回は、詳しいセミナーの様子と、シェフによるおいしい料理をご紹介しますのでお楽しみに!