【スリランカ旅行記95】象の孤児院で、象さんペーパーの作り方を見学してみました
▲象さんペーパーの説明。日本語表記もある
象さんの落し物を活用
スリランカでは、象のフンを利用した紙がつくられており、通称「象さんペーパー」と呼ばれています。
ただ、正確には象のフンから紙ができるのではなく、あくまで植物の繊維からです。
象が食べる大量の植物には、かなり繊維が強いものがあるため、象のフンには、消化しきれなかった繊維がかなり含まれています。
写真をアップするのはやめておきますが、見てすぐ分かるほどです。
そんな象のフンを、長い時間をかけて煮沸消毒してきれいに洗い、紙をつくるわけです。
象は草だけでなく、ヤシの木の中味なども食べるので、象のフンを利用することで、象に加工を手伝ってもらっている部分もあります。
とはいえ、つくるのは大変そうですが、その売り上げは象の保護などにも役立っているといいます。
▲中国語の看板。「象さんペーパー」に比べると、ややストレートすぎるネーミングが気になる
作り方を見学
象の孤児院から、象が水浴びをする川の間に店が並んでおり、道路に近いところに見学用の工房があります。
本格的な工場は別の場所にあるのですが、象さんペーパーの作り方を見学することができます。
中に入ってみると、スリランカ人の女性がいて、作り方を簡単に説明してくれます。
実際には彼女たちがつくっているわけではなく説明役なので、少しおざなりな様子も見える、スリランカ特有のユルい雰囲気が漂う施設です。
まず、象の食べ物である繊維質の植物が並び、その横には象のフン(既に煮沸消毒して乾燥させたものと思われる)や、染料が置かれています。
煮沸して洗って取り出した繊維を、ローラーで伸ばして紙にするようですが、元がフンとは思えない、結構立派な紙になります。もちろん何の匂いもしません。
▲象の食べ物
▲消毒してほぐした繊維をすいて、紙にする
▲出来上がった紙。少し投げやりで、でもやや誇らしげな女性
併設されたショップ
作り方を一通り見て奥に進むと扉があり、その先は冷房が入っていて、商品の並ぶショップになっています。
つき合いで少し買おうかと思ったのですが、ちょっと値段が高いので腰が引けました。
見た目で見200~300円くらいかと思うものが、600円くらいしたりします。
紙の他に、象の姿をつくったものや、全然関係ない貝殻でできたワニのようなものもありました。
どさくさに紛れて並んでいるものもあるようです。
▲象さんペーパーでできた商品。案外高い
▲この置き物も紙製なのだろうか
お土産物としての価値は?
実は、前回スリランカに来た時に、象さんペーパーの小さな手帳を買って帰りました。
ただ、子供に「象のフンでつくった紙だよ」と言って渡したら顔が曇り、軽く傷ついたようにも見えました。
買うと割と高いのですが、やはりフンで出来ているというのはかなりのマイナスポイントのようです。
せっかくお土産物をもらえると思っている人に、いきなり「象のフン」と言って渡すと、あまり喜ばれないようなので、取扱いには注意した方がよいと思います。
さて、気を取り直して象の孤児院の中に行ってみます。
▲貝殻でできた、象やワニ。関係ない商品も売られている