【スリランカ視察記録127】ジェフリー・バワの邸宅、コロンボのNO.11を見てきました

ナンバー11の外観

▲ナンバー11

こんにちは。5年前はジェフリー・バワの名前も知らなかったけれど、今ではバワ建築が好きな黒崎です。

今回の視察の目玉のひとつが、これからご紹介するNO.11(ナンバーイレブン)です。

ジェフリー・バワが実際に住んでいた家で、コロンボ市内にあり、11という番地で呼ばれています。

ナンバー11

▲11番地

4軒連なった家を、端から順に買い足していき、30年かけて自分の気に入るようにつくりかえていったため、中はかなり入り組んでいます。

バワ財団が管理しており、予約して訪れれば、約1時間の案内ツアーを行ってくれます。

見取り図がありますが、入り組んだつくりなので見てもよく分かりません。自分の足で確かめてみることにします。

ナンバー11の見取り図

▲ナンバー11の見取り図

ビデオを見て、部屋の中を拝見

外見は普通の家ですが、狭い入口を通って中に入ると、早速バワテイストを感じます。

入ってすぐのところには車(ロールスロイス)が置かれています。バワは計3台のロールスロイスを乗り継いだそうです。

バワのロールスロイス

▲バワのロールスロイス

中は少し薄暗く、入り組んだつくりはちょっとした迷路のようです。

始めにビデオ(英語)を見たら、ツアーの始まりです。バワ氏の写真に挨拶して、お宅を拝見します。

ビデオを見た部屋

▲まずはビデオを見る

ジェフリー・バワの写真

▲ジェフリー・バワの写真

30年かけて作りこんだ、バワの自宅

バワはこの家に30年ほども住み、その間増改築を繰り返して居心地のよい空間をつくりました。

本格的に建築家としてスタートする前に各国を旅行しているため、部屋には様々な国から持ち帰ったと見られる品が置かれています。

書斎のような部屋

▲書斎のような場所

置き物など

▲各国の置き物など

木製のテーブルとイス

▲木製のテーブルとイス

光と時間もデザイン

バワは建物をデザインするだけではなく、その土地の自然を活かし、光や時間も計算してデザインを行う建築家です。

差し込む日光の角度が、時間によって変わることなども考えられており、やや狭い印象を受ける部屋のところどころに、半分外とつながったような空間がありホッとさせられます。

座る場所や時間によって、部屋の雰囲気は様々に変わったことでしょう。

格子状になった天井

▲格子状になった天井から光が差し込む

日光の差し込むスペース

▲時間によって趣が変わるスペース

室内を見て回ると、どこかで見たようなものを見かけます。

例えばこのフクロウは、ヘリタンス・カンダラマで大きなものが階段のところに飾られていました。

フクロウの彫刻

また、バワの各ホテルでは、ダイナミックな自然と融合したような空間を楽しめます。

このナンバー11は狭いのでダイナミックさはありませんが、箱庭のような空間がいくつかあって目を楽しませてくれます。

箱庭のような空間

▲箱庭のような場所

箱庭のような場所

▲箱庭のような場所2

ジェフリー・バワは、時間も計算に入れて建築をデザインすることで知られています。

自宅であるこのナンバー11でも、半分外のようなスペースに壺が置かれたり緑が茂っていたりするのは、時間の経過とともに変色していく壁や、育つ木々、自然と建物がどう融合していくかなどを見ていたのだと言われます。

自らが心地よく過ごせる家づくりをしながら、研究も続けていたのですね。

白い階段を登って屋上へ

白い階段を登って屋上に上がると開けた空間があります。

今は高いビルが立ち並ぶコロンボですが、バワが住んでいた頃は高い建物があまりなく、もっと遠くまで見通すことができたようです。

今でも屋上からの景色は、赤い屋根と緑がきれいです。

屋上へ上がる階段

▲白い階段を登って屋上へ

ナンバー11の屋上

▲ナンバー11の屋上

屋上から見た風景

▲屋上から見た風景

外見はごく普通の建物ですが、この中には建築家ジェフリー・バワのエッセンスがぎっしり詰まっています。

今回初めて訪れましたが、いくつもバワホテルを見た後なので、興味深く見ることができました。

バワの建築にご興味のある方にとっては、彼の暮らした家の中を実際に歩いてみるのはたいへん面白いと思います。

見学できる時間は決まっており、予約も必要なので、始めから見学する時間を計算して行程を組むことをおすすめします。

ナンバー11の見学時間

▲見学ツアーの時間