【ミナークシ寺院】~魚の目をもつ女神を祀る寺院~

ミナークシ寺院のゴープラム(塔門)

▲ミナークシ寺院のゴープラム(塔門)

南インドで最も有名な寺院

チェンナイ、コインバートルに次ぐ、タミルナードゥ州第三の都市であり、かつてのパーンディヤ朝の都マドゥライ。

この街で、最も有名なものは、何と言っても「ミナークシ寺院」です。
正確には、「ミナークシ・スンダレーシュワラ寺院」。
この寺院は、私個人的には、インドの中でも最も見応えのある寺院だと思います。
マドゥライの街は、この「ミナークシ寺院」を中心に発展した門前町となります。

魚の目を持つという土着の女神ミナークシ(パールバティと同一視)と、夫であるスンダレーシュワラ(シヴァ神)を祀った、南インドを代表するドラビダ建築の寺院です。
女神ミナークシの「魚の目」とは、魚は瞼がなくまばたきしないため、一瞬の隙もなくいつまでも、人々を見守っているということに由来しています。

色彩豊かなゴープラム(塔門)から入場

寺院はとても広く、全部見て周るには2~3時間必要です。
まずは、東西南北の入り口に聳え立つ塔門(ゴープラム)。
その巨大さ(最大の南塔門の高さは60m)もさることながら、煌びやかで極彩色豊かなヒンドゥーの神々の彫刻には圧巻です。
その数なんと3,300体ともいわれます。
この東西南北の入塔門(ゴープラム)含め、ミナークシ寺院には、大小12基のゴープラムが林立しています。

寺院内部もとにかくすごい!寺院内部は、花崗岩ベースの重厚な造り。暑い南インドでも、寺院内部はひんやりとし、厳かな雰囲気です。
参拝者目当ての土産物屋や雑貨屋さんが並ぶメインゲートの東塔門から入場すると、右手に「千柱堂」があります。
名前の通り千本(実際には985本)の石柱が立ち並ぶ姿は荘厳です。
全ての石柱に施行な彫刻が施されいて、本尊には「シヴァ・ナタラージャ(踊るシヴァ神)」のブロンズ像が安置されています。

寺院中央には、スンダレーシュワラ神殿(シヴァ神の神殿)。
本尊は、もちろんシヴァ神のシンボル・リンガが安置されています。
残念ながら、本尊内部はヒンドゥー教徒でなければ入ることができませんが、外から回廊や天井に刻まれた彫刻や壁画を見るだけでも一見の価値があります。

スンダレーシュワラ神殿の向って左側には、「ミナークシ神殿」があります。
こちらも、残念ながらヒンドゥー教徒以外は入場できません。
しかし、本殿南の信者が沐浴する黄金の蓮のタンク(貯水池)から、光り輝く黄金の頭頂部を見ることができ、写真ポイントにもなっています。

ミナークシ寺院のクロージングセレモニー

▲ミナークシ寺院のクロージングセレモニー

毎晩21時からのクロージング・セレモニー

ここミナークシ寺院の見どころのひとつに「クロージング・セレモニー」があります。
毎晩21:00頃、スンダレーシュワラ神殿から、本尊のシヴァ・リンガが神輿に乗せられ、数人の男たちに担がれ、ミナークシ神殿に運ばれます。
そう、シヴァ神は、毎晩妻ミナークシと一緒におやすみになるのです。
夫婦一緒に寝室を共にする儀式です。
この儀式の後、ミナークシ寺院は閉門となります。
まさに閉館(クロージング)の儀式(セレモニー)なのです。
とても面白い変わった儀式ですので、日中にミナークシ寺院を見学した方も、ホテルで夕食後、再訪することをお勧めします。

ところで、南インドの寺院でよく目にするこの極彩色のゴープラム(塔門)。マレーシアやシンガポールの街角でも、よくこの南インドスタイルのゴープラム(塔門)を見かけることがあります。
それらは、間違いなくヒンドゥー教の寺院です。
マレーシアやシンガポールは、南インドからの移民や印僑(華僑のインド人版)が非常に多い国なのです。


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