インドの伝統舞踊、カタカリ・ダンスは、歌舞伎に似ている?
▲歌舞伎に似ている?
カタカリ・ダンスはインド4大舞踊のひとつで、「カタ」は物語、「カリ」は舞踊の意味です。セリフは一切なく、指の動きと表情(特に目の動き)でストーリーを語ります。
上の写真の舞台の上にある、様々な形をした手の形にそれぞれ表す意味があり、分かる人には分かるそうです。
物語は、ヒンドゥーの叙事詩ラーマヤーナや、マハーバラタが題材になっていることが多いようです。
ただ、ここで問題にしたいのは、この先の話です。
「日本の歌舞伎に似ている」という説
極彩色の衣装、派手なかぶりものと、写真で見るとまるで違うのですが、実際に見た人が口をそろえて言います。
「日本の歌舞伎に似ている」
「えーっ?」というお声が聞こえてきそうですが、このご感想は多いので、ちょっと冷静に見てみます。
男が女を演じる
▲右は女役だが、演じているのは男性
まず、歌舞伎と同じ点は、女役も男性が演じるという点です。
右側は女役なのですが、演じているのはどちらも男性です。
(この写真を見るだけでもすぐ分かりますが)
この点が、「歌舞伎に似ている」といわれるひとつ目の理由です。
緑色の顔と、強烈なメイク
▲歌舞伎に似ている?
また、顔に派手な紋様を描くメイクも、少しだけ似ています。
このカエルのような緑色に顔を塗られた人が、観光客向けにほぼ必ず演じられる演目の主人公です。
(歌舞伎では、顔を緑色に塗ったりはしませんが)
こうした点をみれば、少し歌舞伎に似ている点がなくもないようですが、見た目の印象がまるで違います。
踊る様子や、後ろで太鼓を鳴らす人は、スリランカのキャンディアンダンスの方が近い気もしますね。
カタカリ・ダンスの楽しみ方
見られる場所と時間
コーチン市内には、カタカリ・ダンスの劇場が100軒以上あるといいます。
毎晩、たいていは18時頃から公演が始まります。
手の動きに注目
歌舞伎とは違って一切セリフがなく、ダンスや顔の表情、目の動き、手の動きで全てを表現します。
日本の伝統舞踊などは、難しい台詞回しなどもあって内容を理解しにくいのですが、インドのカタカリ・ダンスはセリフがないのでその心配がありません。
観光客が見に行っても、すんなり楽しむことができるでしょう。
おすすめの方法
おすすめは、公演の2時間前から始まるメイクアップとリハーサルです。
カタカリ・ダンスは世界3大化粧劇にも数えられていて、お化粧する姿を見せたり、指の動きを教えてくれたりと本番前に親切で、なかなか興味深いものです。
このメイクアップの様子を見ると、「歌舞伎に似ている」という感想を持たれるようです。
▲静かな舞台の上でメイクが進んでいく様子を見学できます。
化粧の小物だけでなく、指を使って隈取りのようなものを施していくところも歌舞伎に似ていますね。最後に目の中にスパイスなどを入れて目を充血させるんですって!
▼カタカリ・ダンスの動画
ご興味のある方は、コーチンに行ったらカタカリ・ダンスを見て、本当に歌舞伎と似ているかどうかをぜひご検証ください。。