インド最南端カンニャークマリで、紅い海の沐浴を見よう!
▲夕陽で紅く染まる海で沐浴する人々
日の出と日の入りを見られる、聖なる海
インドの地図を見ると、一番南が逆三角形の頂点になっています。
地図で見ただけでも気になるここは、広いインドの中でも特別な場所です。
東のベンガル湾、西のアラビア海、そして南のインド洋と3つの海が交わり、インドで唯一、日の出と日の入りを同じ場所で見られるのです。
沐浴といえばガンジス川が有名ですが、ヒンドゥー教徒が沐浴するのは、川とは限りません。
東のベンガル湾から昇った太陽が、西のアラビア海に沈む頃、コモリン岬のガートには人々が集まってきます。
日の出と日の入りは、ヒンドゥー教徒にとって神聖なものなので、沐浴はその時間に合わせて行われます。
そのため、海に面したコモリン岬のガートでは、日の出、日の入りに合わせて、多くのヒンドゥー教徒が沐浴する様子を見ることができます。
▲インド最南端の海とカンニャークマリの街
女神の名を持つ最南端の街、カンニャークマリ
インドの最南端コモリン岬には、カンニャークマリという街があり、街の名前は女神クマーリー
(処女)に由来しています。
カンニャークマリには、見どころがたくさんあります。
一つは、コモリン岬の沖に浮かぶ島(岩)、ヴィヴェーカナンダ・ロックです。
19世末、ヒンドゥー教の聖者ヴィヴェーカナンダが瞑想にふけった巨大な岩で、港からボートで15分ほどでアクセスでき、ここからの景色は絶景です。
▲ヴィヴェーカナンダ・ロックと彫像
一枚岩の島には洞窟があり、ヴィヴェーカナンダはそこで瞑想したと言われます。
洞窟は厳かな雰囲気で、今でも多くのヒンドゥー教徒やツーリストが瞑想にふけっています。
この岩から対岸の大陸側を見渡すと、白い大きな教会があり、異国の雰囲気をかもしだしています。
ヴィヴェーカナンダ・ロックのとなりの岩には、ヴィヴェーカナンダの巨大な彫像が建てられ、こちらの島(岩)へも船で訪れることができます。
その他の見どころ
また、コモリン岬の南端、カンニャークマリ市内で最もにぎやかなエリアには、この地の女神(クマリ)
を祀るクマリ・アンマン寺院があります。
ここはとても神聖な寺院で、入場する際、男性は上半身裸になって参拝するといった変わったルールがあります。
そして岬西部にはガンジー記念堂があり、多くのヒンドゥー教徒やツーリストが訪れます。
デリーでヒンドゥー教原理主義者に暗殺され、ラージガートで荼毘にふされたマハトマ・ガンジー氏の遺灰の一部は、ここの海にも流されました。
ここインド亜大陸最南端のコモリン岬は、ヒンドゥー教徒にとって、大切な聖地なのです。
ヒンドゥー教徒でない私達も、夕陽で紅く染まる海の沐浴風景を見て、海の聖地でロマンを感じてみましょう。