ユニークな遺跡を持つ海浜リゾート、マハーバリプラム
▲ユニークな写真が撮れる、クリシュナのバターボール
徒歩圏内にいくつもの遺跡を持つ、楽しい海岸リゾート
マハーバリプラムは、チェンナイから南へ海岸沿いを60kmほど行ったところにある街で、ベンガル湾沿いに砂浜のビーチが続く美しいリゾートです。
世界遺産に登録された寺院など、数々の遺跡があり、見どころは大きく分けて4つあります。
▲マハーバリプラムにて。向こうに海が見える
海岸寺院
世界遺産に指定された、8世紀初頭に建てられたピラミッド式の寺院で、海にごく近い場所にあります。
そのため浸食や風化からの保全が課題で、以前は寺院が7つあったそうですが、現在はこの海岸寺院のみが残っています。
大きい寺院と小さい寺院が並んでおり、小さい方はビシュヌ神がご本尊で、大きい方はシヴァ神のファミリーがご本尊です。
シヴァ神と奥様のパールヴァティー(ウマ)が並び、二男坊のスカンダ(カルティケヤ)が膝にちょこんと乗ったレリーフは、愛らしい家族の姿を描いています。
(長男は有名なガネーシャ神ですが、南インドのタミルナードゥ州ではスカンダの方が有名なようです。)
▲2つ並んだ海岸寺院(大きい方がシヴァ神のもの)
アルジュナの苦行のレリーフ
マハーバリプラム市内の小高い岩山の遺跡公園にある、一枚岩に掘られた磨崖(まがい)彫刻です。
アルジュナとは、インド最古で最長の叙事詩「マハーバラタ」に登場するパーンダヴァの5人兄弟の三男です。
見ただけでは分かりにくいのですが、このレリーフは別名「ガンガーの降下」とも呼ばれ、天界を流れるガンジス河を下界に降ろす際、一気に降ろすと地上界が洪水になってしまうため、シヴァ神の髪の毛を通して、雫として地上界にガンジス河を降ろしたというお話を表しています。
このレリーフの隣には、これもまた有名なお話である、「ゴーヴァルダナ山を持ち上げるクリシュナ」のレリーフもあり、この遺跡公園は散策にちょうど良い広さで、所々に石窟寺院や彫刻、レリーフなどがあるため、地元の学生も遠足や社会見学で訪れています。
▲アルジュナの苦行のレリーフ
クリシュナのバターボール
遺跡ではないですが、「アルジュナの苦行」のレリーフの近く、公園の入り口近くに、落ちそうで落ちないという有名な岩があります。
正面から見ると、まん丸い岩ですが、後ろから見るとスパッとナイフで切ったような切り口があり、そのため「バターボール」と呼ばれています。
そして、バターボールはクリシュナの大好物と言われるため、「クリシュナのバターボール」と呼ばれます。
岩を押してみたり、下に入って写真を撮るのが定番ですが、「レイダース」でインディジョーンズが大岩に追いかけられるシーンも再現できそうですね。
下から見ると坂道を転げ落ちそうに見えますが、横から見ると結構安定しているので、安心して近づくことができます。
▲今にも落ちそうに見える、クリシュナのバターボール
▲でも横から見ると結構安定している
ファイブ・ラタの石彫寺院
「アルジュナの苦行のレリーフ」や「クリシュナのバターボール」のある遺跡公園から南に15分ほど歩いたところに、「マハーバラタ」の主人公パーンダヴァの5兄弟の石彫寺院があります。
世界遺産に登録された、長らく砂に埋もれていた石彫寺院で、実は未完成です。
巨大な花崗岩の1枚岩を削ってつくられ、寺院上部や彫刻などはきれいに彫られていますが、寺院下部や中の内装などは出来上がっていないのです。
▲下の方が未完成の、ファイブ・ラタ寺院
寺院には、それぞれパーンダヴァの5兄弟の名前がつけられています。
長男ユディシュティラ、次男ビーマ、三男アルジュナ、四男ナクラ、五男サハデーヴァ。
寺院は5つあるので5兄弟の物と思いがちですが、実はちょっと違います。
ナクラとサハデーヴァは双子のため、2人で一つの寺院となっており、残り一つの寺院は、兄弟共通の奥様であるドロパティーの寺院となります。
この5つの寺院は、南インドのドラヴィダ建築の原型となっており、南インドの寺院はこの5つの石彫り寺院のどれかの様式に当てはまると言われています。
歩き回って楽しい写真を撮ろう!
これらの遺跡はいずれも徒歩圏内にあるため、全てまわってもさほどの時間はかかりません。
リゾート地の潮風に吹かれて、遺跡巡りを楽しんでみてはいかがでしょうか。
面白い写真も撮れる場所ですよ!
▲皆でバターボールを押してみよう!
▲こんな写真も撮れる?