【インド旅行記18】ムガール・サライ駅からアグラへ。網棚のような寝台でも快適に過ごせる、インド列車の秘密!
今回の旅行で一番キツかった、ムガール・サライ駅(超本音)
駅までの道が怖い!
バラナシ市内から駅までの道は、夜だったこともありますが、今回のインド旅行中で最も険しいものでした。
バスだと橋を渡れないとのことで、小さめの車に分乗しての行程でしたが、事故ギリギリです。ドライバーの運転が荒いわけではないのですが、道には自転車やバイク、歩行者などがおり、対向車のライトで幻惑される中、それらを縫うように進みます。
舞い上がった埃がライトで照らされる中からトラックが出てきたり、横道から車が顔を出したりと、車が小さいので機敏に動くのはいいですが、まるでレーシングゲームのようでした。
何度も体をこわばらせつつ、ひたすら無事の到着を祈りました。ただ、その中を事故も起こさず進んでいくドライバーはすごいと思いました。
駅に着いたら暑くてクサい!
▲ムガール・サライ駅
何とか無事に駅に到着すると、夜中にも関わらず大勢の人がいました。
人々の喧噪と大音量のアナウンスがひっきりなしに流れる空間で、なんともにぎやかなのはいいですが、ちょっと匂いがきついのがこたえました(駅の周辺がトイレと化してしまっているようです)。
ただ、この駅の入口はまだマシで、ここではまだ笑って写真を撮ったりしていられるレベルです。
線路の近くにいくと臭いはもっとひどくなりますので、ネタ収集などはここで行いましょう。
▲切符売り場の様子
▲壁に張り出された時刻表(頻繁に遅れる)
▲ムガール・サライ駅のホーム
厳しい環境で列車を待つうち、あきらめの境地に
このムガール・サライ駅は、バラナシからインド各地へつながる重要な駅のようで、夜中なのに大勢の人がいました。
インドの駅にはトイレがあり(有料なので小銭が必要)、列車にもちゃんとあるのですが、問題は列車のトイレは車体に穴が開いているだけで、基本的に汚物を線路に垂れ流して走っていることです。
そのため列車が到着すると(しなくても)臭いがひどく、夜なのに30度を超える気温の中で列車の到着を待つとかなりキツイ思いをすることになります。
マスクをしないと匂いがひどく、マスクをすると暑くて汗ばみ、インドに慣れた同行者たちも口をつぐむようになるほどで、ここだけは本当にキツかった!
それでも初めのうちはまだ余裕があり、きっと電車は遅れるだろう、気持ちにゆとりを持って、貴重な体験と思って乗り切ろう。
自分はまだ耐えられる、まだ平気、という気持ちでいたのですが、そのうちゆとりがなくなりました。
インドの列車が遅れることは覚悟していましたが、1時間待っても来ない上に、何度か関係ない列車が到着するたびに汚物と悪臭をまき散らすのです。
しまいに本当に嫌になり、だんだん参ってきて、しまいにはあきらめの境地となりました。
いろいろと面白い経験ができるだろうと思って臨んだインド旅行でしたが、この場所だけは一刻も早く立ち去りたいと心から願うのでした..。
ようやく救いの列車が到着!
待ちに待った列車が到着しました!(どうせまた別の列車だろうと思うようにしていたので本当にうれしい!!)
冷房つきでない車両は窓に鉄格子がはまったようなものですが、ツアーで使う場合は冷房つき車両なのでご安心ください。
落胆しないように、ギリギリまで信じないようにしていたのですが、本当に乗ると分かると、いそいそと列車内に乗り込みました。
列車に乗ってしまえば意外に快適♪
列車の中もいろいろキツイのだろうと覚悟していたのですが、これは良い方に期待を裏切られました。
これでもかというぐらいに冷房で冷えていて、驚くほど静かです。
先ほどまでいた、暑くてうるさくて臭い駅のフォームと比べれば別世界で、まるで天国のようでした。
▲通路はとても狭く、両側が縦二段の寝台になっている
場所によっては楽しい女子会もOK♪
▲席が広ければ、楽しい女子会も
私が乗った列車は片側が4つの寝台で、写真のようにベッドがありました。知らない人と一緒だとちょっと考え物ですが、ご家族やグループの場合にはワイワイ楽しむことができます。旅は長いので、飲み物やスナックを持ち込んで女子会など楽しんでみましょう。
場所によっては寒さに震えて眠るしかない
反対側は縦に2つの寝台が並んでおり、カーテンを閉めれば1つの寝台が個室となります。
そのためプライベート感は強くて良いのですが、とにかくベッドの幅が狭くて、最初は荷物用の棚かと思いました。
さらに、天井に丸みがあるのでさらに狭く、体を起こすことはほぼ不可能です。荷物を置いたら足も伸ばせません。
そして、私はこちらの寝台でした。。
それから、ベッドが天井に近くてエアコンの吹き出し口がすぐ横にあるため、異常に寒かったです。
幸いエアコンの吹き出し口にはレバーがついていて風向きを変えることができたので何とか調整し、ゴワゴワの分厚くて良く冷えた毛布をかけて数時間眠ることができました。一応は白いシーツも用意されたいたのでちゃんと使用します。
▲これが私の寝床。荷台かと思ったらベッドだった…。
▲荷物をかけるフック(らしい)
▲反対側にもいくつかのフックがあり、ちゃんとライトがついた。意外に細かい設備がある。
▲ベッドと同じ高さにある、エアコンの吹き出し口。これは寒い!
トイレはちゃんとあって特に嫌な臭いもなく、近くに洗面所もありました(水を口に含むのはやめましょう)。
列車のベッドとトイレについて(追記)
シーツは湿っぽいし毛布はゴワゴワして重かったのですが、寝るには事欠かないしかければ温かいと感じました(何せ冷房で寒いので)。
シーツが2枚あるので1枚を下に敷いて1枚をかけ、その上に重い毛布をかけました。小さなタオルがあったのでそれを枕に乗せると寝床の出来上がりです。
荷物が多少あるため足を完全に伸ばすことができませんが、先ほどの駅を思えば天国です。
この旅行はビジネスクラスのラウンジから異臭漂う駅のベンチまで、様々な体験ができました。
トイレは男女兼用のインド式で、ひしゃくが置いてあり水を汲んで流します。
扇風機が回っており、それほど衛生的とは言えないものの、臭くはないのが良かったです。
紙はないので使用する場合は持参しましょう。電車なので結構揺れており、使いませんでした(ウェットティッシュで手を拭いた)が、出たところには洗面台もありました。
他の参加者とビールを一杯飲んで、カーテンを閉めて寝ました。後で知りましたが禁煙禁酒だったようです。
途中寒さで目が覚めてトイレに立ちましたが、3時間×2回ほど寝ることができました。
今回はガイドさんが同行しているので問題ありませんが、インドの列車は何のアナウンスもないため、個人旅行で乗る時は注意と覚悟が必要です。
結論:駅での待ち時間は超キツかったしベッドは狭くて寒かったけれど、一晩で地獄と天国を感じられる列車の旅は捨てがたい
駅では暑さと臭いでひどい目にあいましたが、一旦乗ってしまえば渋滞のないだけ、車で道を行くより快適かもしれません。
寝ているうちに着くので早いですしね。
とにかくなかなかできない経験ですので、一度乗ってみるのは良いと思います。
朝になると車内でチャイが売られ、いい匂いがします。慣れた人は買って飲んでいましたが、インド初心者の私は匂いだけ楽しませてもらいました。。
インドで初めての列車体験は、天国と地獄を一晩で感じる貴重な体験となりました。
(あまりに劣悪な環境に置かれると、通常以下の空間が天国に思えるんですね。)
さあ列車はもうすぐ、タージマハルのあるアグラに到着です!