【象のタクシーで丘の上へ】世界遺産アンベール城の見どころ
アンベール城はこんなところ
何代にも渡って増築された豪奢な城
デリーからジャイプルに向かって行くと、ラジャスタン州の州都ジャイプルの北東11kmの地点で、丘の上に立つお城が見えます。
これがアンベール城で、16世紀にこの地を支配したカッチャワ家の王国(アンベール王国)の砦に、1592年ムガル帝国の第3代皇帝アクバルの軍司令官ラージプート族の王様ラジャ・マン・シィン1世が大規模な増改築を加えたものです。
以後、歴代の王に増改築されて現在の形となり、ヒンドゥーとイスラムの入り混じった様式でつくられた城の中では、武骨な外観からは想像できない建築美を見ることができます。
アンベール城観光の名物♪象のタクシー
アンベール城は、岩山の上に築かれた城塞なので、麓から150mほどの急坂を上る必要があります。暑い中、急な上り坂を歩くのは大変なので、登りはアンベール城名物の象のタクシーを利用しましょう。マントをはおって、顔には化粧を施した象(とおじさん)が山の上まで乗せてくれます。
▲急な坂を上る象のタクシー
現在は1頭に付き、2名が定員です。象の頭数には限りがあり、また象のストレス軽減からも象のタクシーは1日数回と制限されています。お昼前にはすでに象のタクシーは終わっているケースも多いため、できるだけ朝早く訪れることをお勧めします。
また、象の体調やお祭りなどで借り出されてしまうなど、現地の事情で乗れなくなるケースもあるため、その際は、ジープを利用することになります。上りと下りはルートが異なりますので、下りは徒歩かジープをご利用ください。下りの道沿いに客待ちのジープが止まっています。
▲象のタクシーからの景色は最高!
▲象が上っていくにつれて、テンションも上がっていきます!
▲思ったよりずっと背の高い象のタクシー
▲登りきると結構な高さがある
アンベール城の見どころ
美しきガネーシャ門を探せ!
アンベール城は、イスラムとラージプートの混合様式で建てられており、北側から一列に4つの中庭が並びます。ここでの見どころは、なんといっても「世界一美しい門」と言われるガネーシャ門です!
ガネーシャ門は透かし彫りの窓から涼しい風が抜けるように設計された、幾何学模様の壁装飾も見事な門で、イスラム様式の影響を受けたラジャスタン特有のスタイルです。実際に見ると、世界一美しい門といわれるのも納得です。
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▲ガネーシャ門の前で
門を入ると、内部は幾何学模様で仕切られたシンメトリーが美しいイスラム調の庭園があり、回廊の左手には「鏡の間(シーシュ・マハル)」があります。
一面に鏡が散りばめられた、鏡の間
回廊の天井や壁に施された幾何学模様、そして、小さな鏡が散りばめられた「鏡の間」は必見です!
天井や壁に埋め込まれた無数の鏡は、今から数百年前の電気のなかった時代に、室内を明るくするために工夫されたものだとされています。わずかなろうそくの光が、鏡に反射して増幅されるわけですね。
▲壁にはめ込まれた鏡が美しい、鏡の間
マハラジャのハーレム
庭園から一番奥に入ると広場の中央に踊り子の舞台があり、ここでマハラジャ(藩王)は夜ごと宴をひらいたそうです。
右側のハーレムの各室の壁や天井はきれいに装飾が施され、床には水路を通し、水を流し、涼しくするための工夫がされています。
10人以上の側室には1人1部室、ハーレムは3人で1部室があてがわれ、王様は他室を通らず、他人に気付かれずに、各室に入れたといいます。
▲透かし彫りの窓から外の様子が見える
アンベール城では、外見と中味のギャップを楽しもう!
荒涼とした丘の上に立ち、まさに城塞という堅固な外観を持つアンベール城ですが、中に入ると雰囲気が大分違います。ピンク色の砂岩と大理石を使って、美しく繊細につくられた城内からは、むしろ女性的な印象を受けます。また、ヒンドゥーとイスラムの建築様式が混ざっているのもおもしろい点ですので、お気に入りの場所を選んで記念撮影をしてみましょう!
▲マハラジャのハーレム風に記念撮影!