【インド旅行記10】 インドの夜明けは祈りと共に。ガンジス河の朝の沐浴を見に行きました。
早起きして見に行く、ガンジス河の朝の沐浴
朝のガートの様子
早朝4時前に起き、4時半にホテルを出てガンジス川の沐浴風景を見に行きました。
さすがに早朝だけあって昨夜の混雑はありませんが、あれだけの混雑が跡形もなく消え去っているのも、何だか不思議な気がします。
▲早朝のバラナシ
でもガンジス川に近づくと、早朝からたくさんの人が集まって、熱いチャイを楽しんでいました。
路地を抜けて、ガンジス川のガートへ向かいます。
▲ガンジス河のガート
階段状になったガートの、ところどころに人がいます。
座っているだけでなく寝転んでいる人も多いのは、ここでずっと過ごしている人がいるからなのでしょう。
▲ガートを降り切った場所
そうかと思えば何やらピクニック風の家族もいました。
何時からここにいるのでしょう。皆思い思いに時間を過ごしています。
全てを洗い流す、ガンジス河の聖なる水
朝の沐浴風景を見学するため、私たちは小舟に乗ってガンジスの川面へ。
▲木造りの小舟で、川面へ
船頭がオールを握り、おもむろに漕ぎ出します。
明るいのですがまだ夜明け前なので、アールティー(お祈り)は始まっておらず辺りは静かです。
▲シバ神(左)とその妻パールバティー(右)
日の出とともに朝のアールティーが始まり、沐浴が行われます。ガンジス川の水は聖なる水で、身を清めると全ての罪が許されるそうです。
寺院の大きな柱(?)には、シバ神とその妻パールバティの姿がありました。
シバ神の頭から噴出している水がガンジス川だと言われています。この絵にも描かれていますが、ご覧になれるでしょうか。
(このホームページの一番下にあるシルエットにも描いてあります)
▲ガンジス河の朝の沐浴
沐浴する人々。女性は衣服を着用したまま行い、朝も子供たちは泳いで遊んでいました。
この日は沐浴する人が少ないとのことでしたが、まばらながらも結構いたように思います。
▲沐浴見学の観光客
沐浴を見るために(私たちもそうですが)、観光客を乗せたボートが集まってきました。
ガンジス川の水は決して腐らないと言われ、ガイド氏が実際に持ち帰って試してみたところ確かに腐らなかったそうです(既にいくところまでいってしまっているからとも思えますが..)。
ガートの上では水を入れて持ち帰る容器が売られています。
夜明けのガンジス河。夜と朝の間を実感する風景でした。
▲ガンジス河の夜明け
ガンジス河に日が昇り、アールティ(お祈り)が始まり人々が沐浴を行う。
本当に何百年も前から、変わらず続く風景なのでしょうね。
昼夜の別なく動き続ける、火葬場
昨夜も訪れた火葬場が見えてきました。ピンク色の柱を越えたら写真撮影は禁止とのことでした。
▲ガンジス河。向かう先に見えるのが火葬場
これ以上進むと撮影ができないので、少しズームして撮ったものです。
▲ガンジス河の火葬場
早朝にも関わらず、この時間も火葬場は煙を上げていました。
岸辺にはたくさんの薪が用意され、牛も入り込んでウロウロしています。
この写真ではわかりませんが、階段には担架にくくりつけられた遺体が順番待ちをしています。
何百年もずっと変わらない、何もかもがごちゃ混ぜの場所です。
最も汚い場所で、最もおいしいチャイを
火葬場から上陸して路地裏に入ると、そこは牛の糞だらけのすこぶる不衛生で臭い場所。
この路地裏と、この後で訪れる夜行列車の駅が、今回訪れたもっとも汚い場所でした。
でもその一角にあった店で飲んだチャイが、不思議なことにこの旅行で飲んだ中で一番おいしかったりするのでした。
▲素焼きの器で飲むチャイ
屋台の場合は飲んだら道に投げて割ってしまうのだそうです。表面に浮いているのはカルダモンです。
ガンジス河で死を待つ人たち
ガートの周辺には「死を待つ人」と呼ばれる人々がいて、物乞いをしながらこの周辺にいます。
こうした人が亡くなると、寺が火葬してガンジス河に流してくれるので、身寄りのない人が集まってくるそうです。
ガンジス河の周囲には、インドの他の場所とは明らかに異なる時間が流れています。
言葉で語るのは難しいのですが、一歩踏み入れればその雰囲気を感じ取ることができるでしょう。
バラナシのガンジス河観光を行うと行わないとでは、インドに対する印象が大分異なるのではないかと思います。
ぜひ一度ご覧になって、インド人の原点と終着点を、一度に感じてみてください。