
「数日間の国内旅行に出かけたいけど、混雑を避けてリラックスできる場所はないかな?」と思う方に、2つの離島をご紹介します。
北海道にある、焼尻島(やぎしりとう)と天売島(てうりとう)という小さな島で、自然の中でのんびりしたい方におすすめです。
景色がきれいで海の幸がおいしい場所ですが、少々行きにくいため、日程の組み方によって旅の満足度が大きく変わります。
そこで、旅行会社がおすすめする焼尻島・天売島への行き方と、観光のポイントをご紹介します。
焼尻島・天売島はこんな場所♪

北海道の北西部、海に面した羽幌(はぼろ)という街から、西へ約25kmの場所に焼尻島があり、さらに西へ約12km進むと天売島があります。
すぐ近くにある、似たような大きさの島でありながら、少し異なる特徴を持っています。
焼尻島(やぎしりとう)の特徴
焼尻島の周囲は約11km、面積5.21㎢(東京ドーム約110個分)の大きさで、島の3分の1が原生の森という環境に、約180人が暮らしています。
小さいながらも貴重な自然の宝庫で、約50種、15万本もの天然記念物の森と高山植物、野鳥、それに羊たちを目にすることができます。
天売島(てうりとう)の特徴
天売島の周囲は約12km、面積5.47㎢(東京ドーム約116個分)の大きさで、海鳥と人間が共存する環境に約280人が暮らす、こちらも小さな島です。
天売島は「海鳥の楽園」とも呼ばれ、絶滅危惧種のオロロン鳥(ウミガラス)や、約80万羽が飛来するという、ウトウなどを目にすることができます。
一方は「原生の森」、もう一方は「海鳥の楽園」と、異なる特徴を持ちますが、いずれも人の少ない離島であるため、手つかずの自然が残っています。
焼尻島と天売島への行き方

焼尻島にも天売島にも空港がないため、羽幌から船に乗るのが唯一の行き方です。
でも羽幌から島への船は一日に数本しかないため、前もってスケジュールを組んでおくのがおすすめです。ここでは、最も便利な札幌からの行き方をご紹介します。
札幌から羽幌までは、高速バスの利用がおすすめ

札幌から羽幌までの距離は約200km、交通手段は車のみで、最短でも約3時間かかります。
札幌でレンタカーを借りるとフェリーの予約が必要で、車は10台しか載せられないため、希望の時間が取れにくかったりもします。
そもそも、小さな島なので、島にあるレンタル自転車で十分に楽しめます。
そこで、おすすめは、札幌から路線バスを利用する方法です。
札幌駅から乗り換えなしで羽幌まで行ける高速バス「特急はぼろ号」があり、1日に6便運航しているので便利です(乗車時間:約3時間12分)。
価格は、一人で行く場合は往復7,760円、二人以上で行く場合は、4枚つづりの回数券があって少しお得(一人往復7,396円)になるので、レンタカーよりも安くすみます。
フットレスト、トイレ、無料Wi-Fi、車内TVもついているので、快適な移動を楽しめます。札幌から羽幌までは、高速バスを使っておしゃべりや景色を楽しみながら向かいましょう。
羽幌で1泊するのがおすすめの行き方

高速バスの始発は、札幌駅8:00発、羽幌11:20着となり、そこから羽幌港までタクシーで5~10分ほどかかります。
午後には焼尻島・天売島行きの高速船とフェリーが1本ずつありますが、この航路は波の影響を受けやすいため、予定していた便が欠航となる可能性もあります。
そのため、初めから羽幌で宿泊する予定を組むのがおすすめです。遅延や欠航を心配しながらバスに乗っているのは避けたいですよね。
焼尻島・天売島のおすすめ観光ポイント
これだけはぜひ見ていただきたいという、それぞれの島のおすすめの観光ポイントをご紹介します。
焼尻島(やぎしりとう)の観光ポイント!

- 【めん羊牧場】島の中央部に広がるスコットランドの様な風景。サフォーク種の羊たちがのんびりと暮らしている光景は絵になります。
- 【雲雀ヶ丘公園(ひばりがおかこうえん)】森林浴が楽しめ、5月にはじゅうたんのように広がる青いエゾエンゴサク、6月はノビネチドリ、エゾカンゾウなどの植物や、めずらしい野鳥などを見ることができます。
- 【オンコの荘(しょう)】島の南部にある国の天然記念物に指定された5万本ものオンコ(イチイ)の原生林。300年にも渡って強風と豪雪に耐えた、背が低くて横に広がったような、独特の景観が広がっています。
- 【鷹の巣園地(たかのすえんち)】西部にある、島で一番高い場所(標高94m)で、北海道本土、天売島、島を囲む海という360度の最高のパノラマが楽しめます。

天売島(てうりとう)の観光ポイント!

- 【海鳥観察舎】島の西海岸は、切り立った断崖に大量のウミネコやケイマフリが生息しており、海鳥たちの楽園と呼ばれる意味が分かる場所です。
- 【赤岩展望台】展望台の麓には、約80万羽が生息するといわれる世界最大のウトウの巣穴群があります。夕暮れになると、ヒナに与える餌をくわえたウトウたちが一斉に戻ってきます。その光景は圧巻で、ここから見られる夕日もおすすめです。
- 【小型ボートでの海鳥観察】早朝の、鳥たちが活発に動く時間に、絶滅危惧種であるオロロン鳥(ウミガラス)や足の赤いケイマフリなどの海鳥たちに接近して観察します。写真好きな方、野生の海鳥を近くで見たい方におすすめです。

おすすめの日程【3泊4日の場合】
似ているようで見どころの異なる二つの島を楽しんでいただくため、旅行会社がおすすめする日程をご紹介します。
【1日目】
- 高速バス「特急はぼろ号」札幌駅13:00発に乗車し、羽幌本社ターミナル16:12到着
- 「はぼろ温泉サンセットプラザホテル」に宿泊
- 天気が良ければ、最上階のラウンジもしくは近くのサンセットビーチで日本海に沈む夕日を鑑賞
- 夕食は、甘えびの水揚げ量日本一(国内漁獲の7割)を誇る羽幌自慢の甘えびをいただく
- 宿自慢の天然温泉・日本庭園風の露天風呂で旅の疲れをとる
【2日目】
- ホテルから徒歩2分、300種類のバラが咲き競う「はぼろバラ園」(鑑賞時期:6月下旬~9月限定、無料)
- 焼尻島・天売島へ訪れる前に島のことが学べる「北海道海鳥センター」(月曜・祝日の翌日休館、無料)を見学
- 11時頃の船便で、焼尻島へ渡る
- 12時頃到着し、昼食
- 島内に1台あるタクシーまたはレンタル自転車での島内の観光
- 15時頃の船便で天売島へ渡る
【3日目】
- 早朝、小型ボートで海鳥を観察
- 朝食後、林の中でバードウォッチング
- 午後、レンタル自転車で島内を一周観光(もしくは観光ガイドによる車でのご案内。9名様まで)
- 夕食後、約80万羽といわれるウトウの帰巣を見学
【4日目】
- 天売島を9:40発の船にて出発、焼尻島を経由して羽幌へ
- 羽幌にて昼食とお買い物を楽しむ
- 午後の便の高速バス「特急はぼろ号」にて札幌へ
この日程なら、3泊4日で羽幌、焼尻島、天売島を、それぞれ十分楽しんでいただくことができます。
焼尻島・天売島への旅行は、こんな人におすすめ

焼尻島・天売島は、小さな島で観光バスがあまりなく、団体旅行がむずかしい場所ですが少ない人数の旅行には適しており、人が少ないので、島の自然を貸し切りにしたような感覚を味わえます。
花が咲き、渡り鳥がたくさん訪れ始める5月上旬から、島はベストシーズンを迎えます。
世界最大規模のウトウの帰巣、広がる原生林の緑と美しい青い海、ウニやホタテなど、新鮮な海の幸、島民との交流など、日常生活では味わうことのできない出会いがあります。
忙しい日常を離れて、自然の中で癒されたいという方に、この島はとてもおすすめの場所です。ぜひ訪れてみてください!

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