
ニュージーランドの人気白ワインは、刺身にも合うという
旅先やちょっといいレストランで飲むワインは、日常と違った雰囲気を楽しめます。
ラベルを見せられたら軽くうなずいて同意。テイスティングでは少し考えるふりをしてまた同意。
ソムリエに「ナイスチョイス」的な目線を送りつつ、おかわりのおすすめはスマートに断り、おシャレをしてそつなく振舞う。
あれ?案外やること多いですね。
結構気をつかうし、お金もかかりそうです。
それなら自宅でも楽しみたいのですが、ワインとの相性まで考えて料理をつくるのはちょっと大変です。
そんな時は、ニュージーランド産の白ワインを試してみるのがおすすめです。
味わいや価格など、ニュージーランドのワインがおすすめの理由と、刺身、フライ、煮物など、いろんな家庭料理と合わせた感想をご紹介します。
ニュージーランド産の白ワインが、自宅飲みにおすすめの理由

海鮮丼の準備中
ニュージーランドのワイナリーは、北半球と南半球の違いはあるものの、良質なワインを産出するフランスのワイナリーと気候が似ています。
でもワインの格づけが行われていないため、質の高いものでも安価に買えるのが魅力で、2000円くらいで気軽にフレンチテイストを味わえます。
また、ほとんどのワインがスクリューキャップ形式なので、飲みたい時にサッと開けて飲み残しは簡単にしまえる気軽さも、普段の自宅飲みに適しています。
さらに、ニュージーランドでは白ワインの生産が圧倒的に多く、自然の恵みをシンプルに味わうニュージーランドの料理に合う白ワインは、和食にも合うといわれています。
料理にこだわらなくても、気軽においしいワインを楽しめそうなのが、ニュージーランド産の白ワインが自宅飲みにおすすめな理由です。
一番人気のニュージーランド産白ワイン、「シレーニ(SILENI)」で試してみます
ニーュジーランド産のワインが家飲みにいいらしい、というだけでは無責任なので、一番人気のワインで試してみます。
シレーニは、ニュージーランドの北島で栽培されているぶどうの品種・ソーヴィニヨンブランからできる白ワインで、ニュージーランドから日本へ最も多く輸出されている人気の白ワインです(2018年のデータ)。
シンプルな料理に合うといわれるニュージーランド産ワインの中でも、シレーニのコンセプトは明確で、「よいワインと、おいしい食事、すばらしい仲間」をモットーにしています。
食事との相性を大切にし、日常づかいのワインでありながら素敵なライフスタイルも演出してくれる優れもので、和食を含めたいろいろな料理に合うそうです。
「ワインが料理に合う」って、どんな状態?

「料理とワインが合う」って、どういうこと?
実際に料理と合わせてみる前に理屈もかじっておきますと、ワインと料理の相性については一般的に次のようなことがいわれているようです。
- 赤ワインは、肉料理全般(特に四つ足)に合う
- 重たい赤ワインには、牛肉や煮込み料理などが合う
- 白ワインは、魚料理や鶏肉などに合う
- 甘口の白ワインは、辛い料理、スパイスやハーブを使った料理に合う
- 辛口の白ワインは、魚などの魚介類、刺身やサラダ、和食にも合う
- ということらしい
「ワインが料理に合う」とは、お互いの良さを消さずに引き立て合う状態なので、濃い味の肉料理にはしっかりとした赤ワイン、鶏肉や魚介類など、淡泊な味には白ワインが合うとされます。
その一方で甘みや香りなどについては意外な組み合わせもあるようですが、理屈はこれぐらいにして、実際にワインと料理を合わせてみます。
シレーニに、いろいろな家庭料理(和食)を合わせてみた感想
どんな料理がニュージーランド産の白ワインに合うのか、実際に食べ合わせの実験をしてみました。
(合う合わないは個人の感想です)
シレーニは刺身に合うというので、早速そこから攻めてみます。
海鮮丼(マグロ、アジ、イカ、イクラ)

海鮮丼(マグロ、アジ、イカ、イクラ)
ワインによっては魚介(特に生の魚)と合わないようですが、シレーニの場合はアジやイカの風味を邪魔することも、生臭さを感じることもありませんでした。
日本人としては、刺身に合わせるなら日本酒の方がよいとも感じてしまいますが、塩気のあるイクラなどは、キャビアとワインを楽しんでいるようで、いつもと違う気分を味わえました。
左上の小さなサラダは、レタスとわかめ、韓国のりとドレッシングを混ぜたものですが、こうしたちょっとしたアクセントのあるものに、シレーニはよく合いました。
また、シレーニはよーく冷やして飲んだ方がおいしいと感じました。多少の酸味があるのですが、ノドを通る時の感じがかなり違ってきます。
アジフライ

日本の食卓代表。アジフライ
日本の食卓を代表するものといえば、アジの塩焼きかアジフライでしょう。
(少なくとも我が家の食卓にはちょくちょく登場します)
これはイケます。ごく家庭的な料理とはいえ、油でパン粉を揚げたアジフライは洋風の魚料理ともいえる存在です。
カリっとした衣と熱いアジを味わったところに、口に残る多少の油をシレーニが流してくれるため、もしご飯と一緒でなかったら何枚でも食べてしまいそうです。
アジフライが熱いほど、そしてシレーニが冷たいほどに、共においしくなると思えました。
金目のカブト煮と、長イモのステーキ
煮魚に入れたネギが、非常にいい!
金目鯛(キンメダイ)のカブトを醤油、酒、みりんなどで煮たものと、長イモを皮つきのまま焼いてバター醤油や黒コショウで味つけしたものです。
キンメは骨をよける方に集中してしまい、身を確保できたらついご飯と一緒に食べてしまうので、結果的にシレーニとの相性を味わうタイミングが少なくなってしまいました。
ただ、金目に添えたネギが、シレーニとの相性バツグンでした。
クタッとしているけれども香りと歯ごたえの残るネギが、シレーニと一緒になるとまるで変わります。
「もっと大量に入れればよかった」
「いやむしろネギの煮つけをつくればよかった」
と思える味わいとなりました。
香りのやや強い野菜料理がよく合う
長イモもよく合いますが、青のりをふりかけて香りを追加するとさらに合うと思えました。
和食でもやや香りのある野菜料理に、シレーニはよく合うようです。
煮豆(にまめ)とそうめん

ごく普通の、煮豆

ごく普通の、そうめん
この二つはもともとお酒のおつまみではありませんが、食卓にあったので試してみました。
結果は、「合う合わないではなく、おつまみではない」というところです。
きっと、ビールと合わせてもウイスキーと合わせても、同じ結論になろうかと思います。
上の方にところてんの写真もありますが、ところてんも似たようなものでした。
まあ、白いご飯と白ワインの相性を問うようなものですね。
うなぎのかば焼き(うな丼)

タレと山椒のかかった、熱々のうな丼
メチャクチャ良い(合う)!
今回試した家庭の料理で、もっとも最高にシレーニと相性が良く、バツグンにおいしかったのがこのうな丼です。
たまたまちょっと安いうなぎがあったので、久しぶりに小さな丼にしてみたものなのですが、せっかくのうなぎなので、熱々のご飯にのせてタレと山椒をかけました。
この「熱々」「山椒」「甘いタレ」「うなぎの淡泊な脂」がもともとウマイところに、冷たく冷えたシレーニを合わせると本当に最高でした!
白いご飯と白ワインの相性を考えても仕方ないと思ったのですが、これは別物です。
思いがけず、ご飯と白ワインが合う瞬間を発見できました。
ニュージーランドの白ワイン、シレーニは、香りのある日本の家庭料理によく合う!
シレーニの味わいは口中に含んで長く味わう類のものではなく、多少の酸味とともにスッとのどを通っていくのが実に心地よいと感じます。
そのため、よく冷やした方が格段においしくなり、合わせる料理は熱くて香りのあるものが特におすすめです。
温度の低い海鮮丼より、熱々のうな丼と飲んだ方がはるかにおいしかったのはそのためです。
うなぎでなくても、鶏肉を焼いたきじ丼にタレと山椒をかければ、こちらも同様に相性抜群だと思いますし、生姜焼きなども良いかもしれません。
スパイスとはあまり合わない
一方で、香りといってもスパイスの香りには、さほど合わないと感じました。
トマトが多めのスパイスチキンカレーをつくったのですが、こちらはビールの方が合いました。
シレーニには、山椒やネギのような、和の香りがよく合うようです。

スパイスカレーにはビールの方が合った
それで、シレーニ自体の味はおいしいの?
あくまで個人の見解ですが、大事なところなので本音で書きますね。
シレーニはスッキリとして飽きのこないおいしいワインで、日本で一番売れているニュージーランドワインで、和食(野菜の煮物や刺身)に合う、といわれています。
でも初めは、「そんなに言うほどかな?」と感じました。
香りはいいのですが、飲み込んだ後の酸味が思ったより強く、多少の苦みもあるためです。
実際、海鮮丼と一緒に飲んだ時には、刺身と合わなくはないし味の邪魔もしないけど、別になくてもいいと感じました。
評価が変わったのは、香りの強い野菜や食材と合わせた時です。これはウマイ!と感じました。
また、上にも書きましたが、よーく冷やして飲む方が圧倒的においしくなりました。
世間の評価と私の個人的見解は少しだけ違いますが、ご興味のある方は、ぜひシレーニを購入して確かめてみてください。
まとめ
何だかんだ言いましたが白ワイン・シレーニは、サッパリとしたのどごしが印象的で、食事にプラスすることで、華やいだ食卓を演出してくれる優れものです。
1口で喉をリセットして、味に変化とコクと旨味をもたらしてくれるため、料理の味にクセがあるほどその効果が高まります。
ニュージーランド産の白ワイン、シレーニと一緒なら、いつもの料理がその味わいを変え、あなたの知らない世界を垣間見せてくれることでしょう。
記事を書いた人 KURO

サイト管理人兼、㈱いい旅社長で、最近バスケからボルダリングに転向。旅行、工作、スケッチ、食べるのが好きなダッチオーブン使いで、調理師免許もあり。インド人との街歩きなども。