自宅で過ごす時間が長くて体力が落ち、暑い夏の到来で早くもバテ気味・・・なんていう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そんな時には、食欲がなくても手軽につまめる、栄養豊富で甘くておいしいナツメヤシ(デーツ)がおすすめです。

アラブの国では、ナツメヤシというドライフルーツがよく食べられます。
鉄分たっぷりで栄養価の高いナツメヤシは、ただのドライフルーツとあなどれない、女性にうれしいスーパーフードなんですよ。
何度も中東を訪れて、食材の豊かさと素朴なおいしさに魅了された経験から、簡単な食べ方や料理に使えるアレンジ方法をご紹介します。
日本人にはあまり馴染みのない、ナツメヤシとは?
日本ではあまり馴染みがありませんが、メソポタミアや古代エジプトでは、紀元前6千年紀にはナツメヤシの栽培が行われていたといわれています。

過酷な砂漠で生育できる強い生命力を持ち、木に実をつけたまま自然乾燥するため、何日も砂漠を旅する遊牧民たちの間で、栄養満点の保存食として食べられていたそうです。
近年では、栄養価が高いスーパーフードとして、また健康食品としても注目されています。
実がなってから完熟のドライフルーツになるまでは、なんと7ヶ月もかかります!
甘みが凝縮されるため、初めて食べた時にシロップ漬けかと思ったほどの強い甘みを感じました。
太陽の恵みをしっかり受け、自然の甘みと栄養がたっぷり詰まっているナツメヤシは、干し柿のようなねっとりした感じとコクのある強い甘みで、1粒でも満足感があります。
とても長い歴史を持つ食材で、あのクレオパトラも好んで食べていたそうですよ。
ナツメヤシの小さな1粒にはこんな栄養と効果があります
【ナツメヤシの主な栄養】
鉄分
カリウム
カルシウム
マグネシウム
食物繊維
ミネラル類(リン・亜鉛)
ビタミン類(C・E・B1・B2・B6・葉酸) など
特に、食物繊維とカリウムが多く含まれており、カリウムはバナナやかぼちゃ、ほうれん草よりも多く、マグネシウムと食物繊維は果実の中でトップクラスだそうです。
中東では、妊婦さんが1日に2~3粒を食べると良いと聞きました。
妊娠時や授乳時に必要といわれる葉酸も含んでいるからなんですね。

また、ナツメヤシには吸収の速いブドウ糖や果糖が多く含まれ、すぐにエネルギーになってくれるので、スポーツや体力を使うお仕事、頭を使う受験生にもおすすめです。

【ナツメヤシに期待できる嬉しい効果】
便秘の改善
代謝を促しむくみの改善
お肌を美しく保つ心血管疾患の予防
貧血予防
骨粗しょう症予防
血糖値の上昇が緩やかになる
ストレス改善
1粒で52~53キロカロリーなので、砂糖を使ったお菓子よりは低カロリーです。
スイーツ代わりにおいしく食べられる健康食品という感じなのがいいですね。
ちょい足しから料理まで。食べ方とアレンジの方法
【ちょい足しアレンジ】
そのまま食べてもおいしいのですが、中東では中の種をとってナッツを詰めて食べるのがポピュラーです。
ナツメヤシの柔らかい食感と、カリッとしたナッツが合い、暑い時期の中東で、この素朴な甘さに癒されていたのを思い出します。

朝食では、刻んでシリアルやヨーグルトに足して食べるのが簡単です。
暑い時期に、火を使わない簡単な朝食は助かりますね。

種を取ってチーズを詰めたり、ラムやリキュールで漬け込んだものは、お酒のおつまみにもなりますよ。
【料理にも使える】
日本では馴染みがないと書きましたが、実はウスターソースやとんかつソース、おたふくソースにも使われているんだそうです。
知らないうちに、おいしくいただいているかもしれませんね。
料理に取り入れる時は、こんなアレンジはいかがですか?
●パンや焼き菓子の材料として混ぜ込む。
(そのままでも、ラムやリキュールに漬け込んだものでもOK)
●カレーに刻んで加えると、自然な甘みとコクがでる。
●カボチャサラダにレーズンの代わりに混ぜる。
●千切りにしたにんじんと、酸味のあるドレシングで和える。
●煮詰めてジャムにする。
(砂糖を使わなくていい!)
●煮詰めたジャムを砂糖の代わりに使う

サラダに入れるのは簡単で味のアクセントにもなり、アレンジしやすいですよ。
ネットで手に入るナツメヤシのシロップを使うのもアリです。
トーストやホットケーキ、ヨールグトにかけてもいいし、そのまま料理にも使える手軽さはうれしいですね。

ナツメヤシはドライフルーツなので、ものによっては長く保存(1年くらい)できます。
手軽な栄養食として、またアレンジのきく保存食として、ぜひ常備してみてくださいね。
海外旅行をしたくても今はまだできない状況ですが、甘いナツメヤシを口に含んで、中東の乾いた暑さを思い描いてみましょう。
フシミ
インド亜大陸・中東エリアの魅力に取りつかれ、仕事・プライベートで何度も訪れています。食べることや飲むことが好きで、インドでもお腹をこわしたことがないのが自慢!